日本の蛇口をひねれば、きれいな水が出てきます。これほど安定した水環境を日常として持てる国は、世界的に見ても多くありません。けれど、安定にはひとつの副作用があります。いつも水が来るのなら、来ないかもしれないという可能性を、私たちは少しずつ忘れていきます。
いま世界の水には、気候変動・テクノロジーの成長・化学汚染・地政学的な対立・老朽化したインフラという、まったく異質な複数の力が同時に作用しています。本稿ではまずその複合的な現実を俯瞰し、そのうえで一歩引いて考えてみます——私たちは水と、どんな関係を結んできたのか。そして、何を手放しつつあるのか。
※2026年6月11日更新:水をめぐる歴史・思想の視点と国際比較(シンガポール)を加え、記事全体を再構成しました。
「水の惑星」の逆説
地球は「水の惑星」と呼ばれますが、その名にはひとつの誤解が潜んでいます。
地球上の水の約97.5%は海水です。残り2.5%が淡水ですが、その大部分は南極や北極の氷として固定されており、河川や湖沼など人間がすぐに利用できる水は、全体のわずか約0.01%にすぎません。そしてこの少ない水は均等に分布していません。カナダのように水資源量が利用量をはるかに上回る地域もあれば、慢性的な水不足に苦しむ国や地域も存在します。
日本は年間降水量が世界平均の約2倍という、雨の多い国です。ただし一人あたりの水資源量でみると、世界平均の半分以下に留まります。そして食料輸入を通じて、2005年の試算では年間約800億m³のバーチャルウォーター(食料を国内生産した場合に必要となる水の量)を海外から受け取っており、これは当時の国内年間水使用量とほぼ同規模です。蛇口の外側で、私たちはすでに世界の水とつながっています。
気候変動が水循環を歪める
温暖化が進むと、水循環の振れ幅が大きくなります。気温が上がるほど大気は多くの水蒸気を保持できるため、降る時には集中して降り、降らない地域にはより長く降らない、という偏りが生じます。洪水と干ばつが交互に来るようになると、農業も水インフラも、どちらにも対応しきれない状況に置かれます。
アフリカ東部では2020年以降、複数年にわたる大規模な干ばつが続いており、ソマリアでは2023年末時点で人口の約半数にあたる約830万人が人道支援を必要とする状況にあります。インドでは北部を中心に地下水の急速な枯渇が進んでおり、2018年の報告では約6億人が高い水ストレスにさらされているとされます。農業への依存と急速な人口増加が、気候変動の影響を増幅させています。
AIが水を飲む
水をめぐる新しい圧力として、近年注目されているのがデータセンターの消費です。
AIの学習・推論には膨大な計算処理が必要で、その熱を冷やすために大量の水が使われます。米国のデータセンターが直接消費した水は2023年時点で約640億リットルと推計されており、2028年にはその2〜4倍に増加する可能性があるとされています。大型のデータセンター1か所が1日に消費する水の量は、数万人規模の町と同程度になることもあります。
データセンターの立地は、冷却効率の観点から気候条件に左右されますが、水ストレスが高まっている地域に建設されるケースも増えています。ある試算では、2050年までに世界のデータセンターの約45%が高い水ストレスにさらされるリスクがあるとされています。地域住民の飲料水需要と、インフラの水需要が競合するという構図が、すでに一部の地域で生まれています。
見えない汚染「永遠の化学物質」PFAS
水の「量」とは別に、「質」の問題として世界的に注目されているのがPFAS(有機フッ素化合物)です。
PFASは撥水・耐熱・耐薬品性を持つ化学物質の総称で、1万種類以上が存在するとされます。フッ素樹脂加工のフライパン、防水ウェア、消火剤など日常的な製品に広く使われてきました。問題は、自然環境では分解されにくく、土壌や水源に蓄積し続けることです。
米国では、EPAの調査データをもとにした試算で、米国民の約半数がPFASに汚染された飲料水にさらされているとされており、欧州でも広範な規制案の検討が続いています。日本でも沖縄・岡山・千葉・静岡など各地の水道水や地下水からPFASが検出されており、2026年4月からは主要な2物質(PFOS・PFOA)について水道法の水質基準として施行されています。
PFASは見えません。においもありません。検査しなければ、汚染されているかどうかも分かりません。
水と安全保障
水は、国家間の利害が交差する資源でもあります。
ナイル川をめぐるエチオピアとエジプト・スーダンの対立は、その典型例です。エチオピアが2011年から建設を進めてきた大型ダム(グランド・エチオピアン・ルネサンスダム)は、総貯水量740億立方メートル規模の構造物です。国内水需要の約9割をナイル川に依存するエジプトは強く反発しており、三国の交渉は現在も決着していません。類似の構図はメコン川(中国と東南アジア諸国)、インダス川(インドとパキスタン)など世界各地に存在します。
中東では、ヨルダン・イエメン・シリアなど多くの国で帯水層がすでに飲用に適さない状態になっており、安全な水を得るために民間業者から高額で購入せざるを得ない住民が増えています。上流で水を管理する国と、下流で水を受け取る国のあいだの非対称な関係は、気候変動が水量の不安定さを増すにつれて、交渉の難しさを高めています。
豊かさが隠す危機、老朽インフラ
水の「量」でも「質」でもなく、「届ける仕組み」が壊れかけているという問題があります。
日本の水道管は総延長約74万kmに及びますが、そのうち20%以上が法定耐用年数の40年を超えています。更新率は年間わずか約0.65%で、このペースでは全管路を更新するのに130年以上かかります。年間2万件以上の漏水・破損事故が発生しており、2024年1月の能登地震では約13万戸が断水し、復旧に半年を要しました。
これは日本に限った話ではありません。米国のインフラ評価報告書では、飲料水インフラはC-、廃水インフラはD+という評価が続いており、高度成長期に集中的に整備された水インフラが、先進国のあちこちで同時に耐用年数を迎えています。水が「あること」と、水が「届くこと」は、別の話です。
「資源」になる前の水——治水と畏れの記憶
ここまで見てきた六つの問題——気候の振れ、AIの渇き、PFAS、国際河川の対立、老朽インフラ——は、表面的にはばらばらに見えます。けれど、ひとつの共通した構えの上に立っています。いずれも水を「管理する対象」として扱う視点です。豪雨を制御する、汚染を除去する、データセンターの水を循環させる、配管を更新する。水を計量し、所有し、流通させ、最適化する——この構えは、近代以降に私たちが手にしたものです。
少し時間を遡ってみます。水は、最初から「資源」だったわけではありません。
水を「制御する力」は、しばしば統治の力と結びついてきました。中国には、大洪水を治めた禹(う)が王朝の祖になったという伝説があります。メソポタミア、エジプト、インダス、黄河——古代文明の多くが大河のほとりで灌漑とともに生まれたことから、20世紀には「大規模な治水・灌漑こそが中央集権的な官僚国家を必要とした」という仮説も唱えられました(カール・ウィットフォーゲルの『東洋的専制主義』など)。ただし、これは断定できる因果ではありません。後の考古学の進展では、灌漑が必ずしも中央権力を前提としなかった事例も知られており、批判の多い「一つの読み」にとどまります。
確かなのは、水が「制御の対象」であると同時に、長く「畏れと祈りの対象」でもあったことです。各地に水神がまつられ、井戸には神が宿るとされ、雨乞いや水の祭祀が営まれてきました。古代において、水を「治める」ことと「畏れる」ことは、まだ分かれていませんでした。
この関係を大きく変えたのが、近代です。19世紀、コレラなどの水系感染症との闘いのなかで、水は計量され、濾過され、管に通され、安全に「供給される資源」になっていきました。この衛生革命は無数の命を救いました——まぎれもない恩恵です。けれど同じ転換のなかで、畏れ・祈り・恃(たの)むといった、水に対する別の感受性は、静かに背景へ退いていきました。冒頭で見た問題群が「管理の問題」として立ち上がってくるのは、この長い物語の、ごく最近の一章なのかもしれません。
老子の水、そして「恃む」と「恃まず」
水を「資源」として見るより前の感受性を、最もよく言葉にしたのが老子です。
『道徳経』は水を、理想の生き方の手本として描きます。第8章「上善若水」——最高の善は水のようだ。水は万物を潤して争わず、人の嫌う低い場所へ流れるから、道(タオ)に近い。第78章では、最も柔らかい水が最も硬いものを穿(うが)つ、と説きます。しなやかさのなかにある強さです。
ただし、老子は「水を恃(たの)め」とは言いません。繰り返し現れるのはむしろ「為(な)して而も恃まず」——行うが、寄りかからない——という否定形のほうです。水を手本にせよ。だが、寄りかかるな。畏れを含んで水に向き合う「恃む」という構えに、老子なら静かに「恃まず」と返すでしょう。この緊張を地で生きた政治家がいます。
水に国家の生存を賭けた人——リー・クアンユーのシンガポール
その人物が、シンガポール建国の父、リー・クアンユー(Lee Kuan Yew)です。
1965年8月9日、シンガポールはマレーシア連邦からの分離という形で独立しました。勝ち取った独立ではなく、追い出された独立でした。リー・クアンユーはその日のテレビ会見で涙を見せています。そして、この島が抱えた最大の戦略的脆弱性が、水でした。ニューヨーク市より小さいこの都市国家は、飲み水の多くを隣国マレーシア・ジョホール州からの輸入に頼っていたのです。
それは抽象的な弱みではありませんでした。第二次大戦中、ジョホールからの送水管が爆破され、島は渇きに苦しんだ経験を持っていました。独立当日、マレーシアの初代首相トゥンク・アブドゥル・ラーマンは英国の高等弁務官に、シンガポールが意に沿わなければジョホールの水を止めて圧力をかけられる、と語ったと伝えられます。水は、外交カードとして突きつけられました。
リー・クアンユーはこの脅威を生涯忘れませんでした。後年、彼はこう振り返っています——「あらゆる他の政策は、水の生存の前にひざまずかねばならなかった」。1961年と1962年に結ばれた水供給協定(前者は2011年に失効、後者は2061年に失効)は、1965年の分離協定によって保証され、国連に登録されました。協定への違反は、シンガポールの主権そのものを揺るがすことを意味しました。
そして彼の国がとった答えは、徹底していました。水源を一つに頼らない。2004年に「フォー・ナショナル・タップス(4つの国家水源)」と名づけられた戦略のもと、国土のおよそ3分の2から雨水を集め(2060年には9割を目標)、下水を高度処理して飲める水に再生し(NEWater)、海水を淡水化する。NEWaterは1970年代に一度は技術と費用の壁で棚上げされ、のちに復活した執念の技術です。淡水化プラントは現在5基が稼働しています。第2協定が切れる2061年が、いまや事実上の「水の自立」の期限になっています。
リー・クアンユーは、いわば水を「恃んだ」人ではありません。むしろ彼は、水を計量し、循環させ、つくりだす——「管理」の極致を体現した人物です。けれど、その徹底した工学を駆動していたのは、水を決して当たり前としない畏れでした。彼において、「畏れ」と「工学」は対立していなかった。同じ一つの衝動の、表と裏だったのです。
老子が水から読み取ったのは「恃まず」——寄りかかるな、でした。そしてリー・クアンユーの自立とは、マレーシアに恃まず、自然の偶然にも恃まないことでした。古代の賢者と現代の技術官僚は、「恃む」ではなく「恃まず」において、奇妙に重なります。
管理の逆説——豊かさは、なぜ忘却を生むのか
リー・クアンユーの国は、水の管理にほぼ成功しました。けれど、その成功が、新しい問題を生んでいます。水があまりに安定して供給されるようになった結果、市民のあいだで「水が足りなくなるかもしれない」という危機感が薄れている、と指摘されているのです。完璧な管理は、管理されていることそのものを、忘れさせます。
ここで、私たちは冒頭に戻ります。日本の蛇口からは、今日もきれいな水が出ます。雨に恵まれたこの国では、水はあまりに当たり前で、足元の配管が静かに老いていることも、食料の輸入を通じて世界の水に深く依存していることも、日常の意識にはのぼりにくい。
忘却は、二つあります。シンガポールのそれは工学の豊かさが、日本のそれは自然の豊かさが生みました。出どころは正反対なのに、たどり着く先は同じ——「水は、ただそこにあるもの」という感覚です。豊かさは、それが自然のものであれ工学のものであれ、それ自体が忘却を育てるのかもしれません。
では、どうすればいいのか。私たちは、その答えを持っていません。水を完璧に制御できるようになるほど、私たちは「自分が作り出したのではない何かに支えられている」という感覚を手放していくのか。それとも、制御の精度を上げることと、畏れを保つことは、リー・クアンユーがそうしたように、両立しうるのか。何を技術で解くべきで、何は技術で解けないのか——その問いを手放さずにいることのほうが、個々の解決策よりも、長い目で見れば大切なのかもしれません。
老子なら、たぶんこう言います。水を手本にせよ。だが、恃むな、と。
そして、水を「忘れなかった国」があります。次の記事では、その国——シンガポールが2026年に開く水の国際会議SIWW2026を鏡にして、「水の国」であるはずの日本の現在地を見ていきます。
【用語解説】
バーチャルウォーター(仮想水 / Virtual Water)
食料などを輸入する際に「実質的に輸入している水」のこと。たとえば牛肉1kgの生産には約2万リットルの水が必要とされ、輸入することでその水を「使わずに済む」かわりに、生産国の水資源を消費していることになる。2005年の試算では、日本は年間約800億m³のバーチャルウォーターを輸入しており、これは当時の国内年間水使用量に匹敵する規模だ。
PFAS(ピーファス / Per- and Polyfluoroalkyl Substances)
有機フッ素化合物の総称。1万種類以上が存在する。自然環境で分解されにくいことから「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」とも呼ばれる。防水加工や消火剤など身近な製品に広く使われてきた一方、健康への影響が懸念されており、各国で規制強化が進んでいる。日本では2026年4月から水道水の水質基準として法的拘束力のある規制が施行される。
帯水層(Aquifer)
地下水を蓄えた地層。雨や雪解け水が地中に浸透し、長い年月をかけて蓄積される。一度枯渇した帯水層の回復には数十年〜数百年かかる場合もあり、過剰な汲み上げが続くと不可逆的な水不足につながる。中東・インド・米国の一部地域では、汲み上げ量が回復量を大きく上回っている。
管路経年化率
水道管の総延長のうち、法定耐用年数(40年)を超えた管路が占める割合。2022年時点の日本の管路経年化率は約23.6%。現在の更新ペース(年率0.64%)が続けば、今後20年で約69%に達すると試算されている。
グランド・エチオピアン・ルネサンスダム(GERD)
エチオピアがナイル川上流に建設した大型ダム。総貯水量は約740億立方メートル。2011年着工、2020年代に貯水を開始。下流のエジプト・スーダンとの水配分をめぐる交渉が続いている。
上善若水(じょうぜんじゃくすい)
老子『道徳経』第8章の言葉。「最高の善は水のようなものだ」の意。万物を潤しながら争わず、人が嫌う低い場所へ流れる水を、理想の生き方の喩えとする。水そのものへの信仰ではなく、水を“手本”とする思想であり、老子はむしろ「為して而も恃まず」(寄りかからない)という否定形を玄徳と呼んだ。
フォー・ナショナル・タップス(4つの国家水源 / Four National Taps)
シンガポールの水供給戦略。2004年に当時の環境相リム・スイ・セイが用いた呼称で、(1)集水域の水、(2)輸入水、(3)再生水(NEWater)、(4)淡水化水の4つを指す。一つの水源に依存しないことで水の安全保障を確保する考え方。
NEWater(ニューウォーター)
シンガポールの下水を高度処理(精密膜・逆浸透膜・紫外線殺菌)して飲用可能な水準まで再生した水の呼称。1970年代に技術と費用の壁でいったん断念され、後に技術の成熟を受けて実用化された。
【参考リンク】
国土交通省 水資源部「日本の水資源について」(外部)
地球上の淡水量の内訳、水の地域偏在、日本の水資源の現状と世界比較をまとめた公式資料。即時利用可能な淡水が全水量の約0.01%にとどまることや、日本の一人あたり水資源量が世界平均の半分以下であることを確認できる。
環境省 PFASに対する総合戦略検討専門家会議(2024年8月)(外部)
PFASの種類・健康影響・国内検出状況・水質基準の設定経緯をまとめた公式文書。PFASが1万種類以上存在すること、日本各地での検出事例、2026年4月施行の水質基準の根拠を確認できる。
CSIS「Surviving Scarcity: Water and the Future of the Middle East」(外部)
中東・北アフリカの水危機を詳述した戦略国際問題研究所(CSIS)のレポート。帯水層の枯渇・汚染・水価格の高騰・地政学的影響を包括的に扱う。
Lawrence Berkeley National Laboratory「United States Data Center Energy Usage Report」(外部)
米国データセンターのエネルギー・水消費量の推移と予測をまとめた米国政府系研究機関のレポート。AI拡大による水消費増大の主要な一次データとして広く引用されている。
シンガポール NLB Infopedia「Four National Taps」(外部)
シンガポールの4つの国家水源戦略の成立経緯をまとめた公的系の解説。1961年・1962年協定の失効年(2011年・2061年)、NEWaterと淡水化の導入経緯を確認できる。
シンガポール 持続可能性・環境省(MSE)「Water」(外部)
集水・NEWater・淡水化の現況と将来計画をまとめた一次情報。稼働中の淡水化プラント数や、2061年に向けた水自立計画を確認できる。
【参考記事】
水ストレスが高まるなかでのAIデータセンター立地問題 — MSCI(外部)
2050年までにデータセンターの約45%が高い水ストレスにさらされるリスクを施設単位で分析。データセンターの立地と水資源の地理的競合を可視化している。
ナイル川の水争い──大エチオピア・ルネサンスダムをめぐって — 笹川平和財団 IINA(外部)
エチオピア・エジプト・スーダン三国間の水紛争の構造と交渉経緯を詳述した政策分析。国際河川における上流・下流の非対称な関係を理解するための参考資料。
India’s thirst for improved water security — East Asia Forum(外部)
インドの水危機の現状と政策課題を分析。2018年の報告では約6億人が高い水ストレスに直面しているとされ、2030年に需要が供給の2倍に達するとの予測を含む。
水道管の老朽化問題が全国で深刻化 — ジチタイワークスWEB(外部)
日本全国の水道管老朽化の現状と自治体の対応を解説。更新率0.65%・全管路更新まで130年以上という数値の出典となる行政情報メディアの記事。
Lee Kuan Yew: the man who guided Singapore from slum to eco-city — Eco-Business(外部)
建国時のシンガポールが抱えた水の脆弱性と、1961年・1962年の対マレーシア水協定の経緯を伝える記事。「あらゆる政策は水の生存の前にひざまずく」というリー・クアンユーの言葉の出典。
How S’pore’s water conservation message got diluted by recent successes — Third World Centre for Water Management(外部)
水管理の成功が、かえって市民の危機感を薄めるという逆説を論じた分析。協定が1965年分離協定で保証され国連に登録された経緯も整理している。
【関連記事】
水を忘れた国と、水を諦めなかった国|シンガポールのSIWW2026 Water Expoが映す日本の現在地
本稿の続編。水を「諦めなかった国」シンガポールが2026年に開く水の国際会議SIWW2026を鏡に、「水の国」であるはずの日本の現在地を問う論考。本稿で見た水危機の全体像を、具体的な技術と国家戦略の水準で受けとめる。
弘栄ドリームワークス——配管と当たり前の世の中:代表取締役菅原にインタビュー
老朽化した水道配管の点検ロボット「配管くん」を開発した弘栄ドリームワークス代表へのインタビュー。日本の水道インフラの現場課題に、技術と現場感覚でどう向き合うかを語っている。
【編集部後記】
「水問題」という言葉は、どこか遠い場所の話に聞こえるかもしれません。けれど、食料を輸入している限り、私たちは見えない形で世界の水とつながっています。そして、蛇口の水が当たり前であるほど、その当たり前を支えているものは、見えにくくなっていきます。解決策を差し出せる問題ではありません。ただ、「水が当たり前でなくなっている場所がある」という事実と、「自分は水と、どんな関係を結んでいるのか」という問いを、私たちも手放さずにいたいと思います。












