Lightblue|“配るAI”から“現場が育てるAI”へ—2万名支援が示す全社定着メソッド、川俣彰広氏が7/30イプロスAIで講演

生成AIを社内に広げる主役は、いったい誰なのでしょうか。情報システム部門が選び、配り、使い方を整える――長らく当たり前だったこの図式が、いま問い直されています。汎用のチャットボットを全員に配っても、なぜか現場が思うように動き出さない。その理由の一つは、「うちの仕事の事情」を一番よく知っているのが、配る側ではなく現場そのものだからかもしれません。AIを「配られて使うもの」と捉えるか、「現場が自分で仕立てるもの」と捉えるか。この発想の差が、定着するかどうかを分け始めています。


株式会社イプロスは、展示会「イプロスAI 2026 夏」で生成AIの全社定着をテーマにした講演を実施する。演題は「2万名全社活用事例から学ぶ、『AIを使ってくれない』を『なくてはならない』にするメソッド」で、講師は株式会社Lightblueの執行役員 営業部長・川俣彰広氏が務める。

講演では、マイアシスタント設計、社内ナレッジのRAG活用、推進リーダー育成の3軸から、生成AIの全社定着と成果創出を両立させる推進メソッドを解説する。営業・マーケティング・管理部門で実際に成果が出た事例や数値を交えながら、「全社でAIが使われる状態」をどう作るのかが示される予定だ。日時は2026年7月30日(木)13:30〜14:00、会場は有明GYM-EX(ジメックス)B会場。展示会「イプロスAI 2026 夏」は2026年7月29日から31日まで開催され、参加は事前登録制で無料である。

▶ セミナーの詳細・お申し込みはこちら(公式サイト・参加無料)

From: 文献リンク【2万名のAI活用データから判明】「AIを入れたのに使われない」を変える、“明日から使える”全社定着メソッドを解説

【編集部解説】

「配っただけでは、現場は動かない」。本講演が出発点に置くのは、多くの企業が“導入の後”でぶつかる、この素朴な実感です。ライセンスやアカウントを配り終えた瞬間がゴールに見えて、本番はむしろそこから始まっていた――。今回のメソッドが面白いのは、その本番を「ツールをどう配るか」ではなく「現場がどう自分の道具に仕立てるか」の側から解こうとしている点にあります。

問題意識そのものは、決して大げさではありません。PwC Japanの調査では、日本企業の生成AI活用は推進が一定水準に達している一方で、効果が期待を上回る企業は限られ、むしろ期待を下回る企業が増えていると報告されています。帝国データバンクが2026年3月に実施した調査でも、導入の有無だけでは企業の実態を捉えにくくなり、実務でどう使われ、どれだけ効果が出ているかの把握が重要になっていると指摘されました。「導入」がゴールだった時代はすでに過ぎ、「定着」と「成果」が次の主戦場になっています。ちなみに演題に掲げられた「2万名」は、Lightblueがこれまで全社活用を支援してきた累計の規模を指します。一つの調査データというより、現場に何度も入ってきた“場数”の厚みと受け取るのが正確でしょう。そしてその場数が裏づけるのが、これから紹介する3つの軸です。

一つ目の「マイアシスタント設計」は、この講演の最も独特な部分かもしれません。これは、部門や業務ごとに用途を絞り込んだAIアシスタントを、情報システム部門ではなく現場の担当者自身が作る、という発想です。専門知識がなくても業務改善を進められる「市民開発」に近く、AIを「配られて使うもの」から「自分で仕立てるもの」へと立場を反転させます。全社で同じ汎用チャットボットを配るアプローチが行き詰まりがちなのは、現場ごとに違う「うちの仕事の事情」に汎用ツールが応えきれないからです。その事情を一番知っているのは、ほかでもない現場自身だという考え方が、ここには通っています。

二つ目の「RAG活用」は、その発想を技術面で支えます。RAGは社内マニュアルや過去の議事録といった自社の文書をAIに参照させて回答させる仕組みで、汎用AIが苦手とする「うちの会社の固有情報」に答えさせるための要です。Lightblueが公表している清水建設向けの事例では、膨大な施工要領書を瞬時に検索できる技術文書アシスタントとして実装されました。建設という、必ずしもデジタル化が先行しているとは言えない現場で、現場の文書を現場の言葉で引ける道具が立ち上がったわけです。マイアシスタントが「誰が作るか」の話なら、RAGは「何を見て答えるか」の話だと整理すると、二つの軸の関係が見えてきます。

三つ目の「推進リーダー育成」が、おそらく定着の最後のピースです。ツールを配り、技術を整えても、それだけでは現場は動かない――だから現場に旗振り役という「人」を残す。ここで起きているのは、しばしば語られる「AIが人を代替する」という話とは逆向きの動きです。AIを現場に根づかせるために、推進役という新しい役割が人の側に生まれている。役割を奪い合うのではなく、人とAIで役割を分け合う構図が、定着の現場では先に進んでいるのだと読めます。

もっとも、現場が自分でAIを作れるようになるほど、品質や情報の扱いを誰がどう束ねるか、という運用の論点も同時に立ち上がります。Lightblueがシングルサインオン(SSO)対応を掲げているのも、社内データを扱う以上は当然の備えでしょう。裏を返せば、本講演が推進リーダー育成と運用設計を柱に据えているのは、「現場が自由に作れる時代だからこそ、それを安全に束ねる人と仕組みが要る」という認識の表れとも受け取れます。自由と統制は、ここでは対立ではなく両輪になっています。

長期的に見れば、勝負を分けるのはモデルの性能そのものよりも、自社のデータと現場をどれだけAIが扱える形に整え、そこに育てる人を残せるかという「運用の地力」になっていくはずです。派手な導入アナウンスの陰で進むこの地ならしこそ、数年後の競争力を決める――そんな視点で眺めると、一企業のセミナー案内の奥に、AIとの付き合い方そのものの転換が見えてきます。

【こんな方に特におすすめ】

本講演は、以下のような問題意識を持つ方にとって、得られるものが大きい内容です。

◆ 生成AIを導入したが、社内の活用が広がらず悩んでいる
「配って終わり」の先にある、現場が自分で使い始めるための設計図が見えてきます。

◆ AIを“実務で使われる状態”まで定着させたい
マイアシスタント設計やRAG活用など、定着を支える具体策を実例から学べます。

◆ 営業・マーケティング・管理部門の生産性を底上げしたい
部門ごとに成果が出た事例と数値から、自部門に引き寄せて考えるヒントが得られます。

◆ 全社のAI活用を推進する立場にいる(DX担当・管理職)
ツールでも仕組みでもなく「人」を残すという、推進リーダー育成の勘所が手に入ります。

▶ 講演に申し込む(参加費無料・事前登録制)

【セミナー概要】

タイトル:2万名全社活用事例から学ぶ、「AIを使ってくれない」を「なくてはならない」にするメソッド

講師:川俣 彰広氏(株式会社Lightblue 執行役員 営業部長)
日時:2026年7月30日(木)13:30〜14:00
会場:有明GYM-EX(ジメックス) B会場
参加費:無料(事前登録制)
展示会名:イプロスAI 2026 夏
展示会会期:2026年7月29日(水)〜31日(金)

本講演では、マイアシスタント設計・社内ナレッジのRAG活用・推進リーダー育成の3軸から、生成AIの全社定着と成果創出を両立させる推進メソッドが解説されます。「なぜ生成AIは現場で使われなくなるのか」「全社活用を実現する設計・運用・推進のポイント」「成果につながるAI推進リーダー育成の実践知」が見どころとして示されています。

▶ セミナー詳細ページを見る(公式サイト)

【講師プロフィール】

川俣 彰広(かわまた あきひろ)氏
株式会社Lightblue 執行役員 営業部長。株式会社ワークスアプリケーションズ、Wovn Technologies株式会社での営業、営業支援のフリーランスを経て、2023年にLightblueへ営業部長として入社。数多くの企業との生成AI導入プロジェクトを推進してきた、現場伴走型の実務家である。

【用語解説】

マイアシスタント(設計)
部門や業務ごとに用途を絞り込んだAIアシスタントを、現場の担当者自身が作る発想・機能。専門知識のない社員でも業務改善を進められる運用を可能にする考え方。

市民開発(シチズンデベロップメント)
専門のエンジニアではない現場の担当者が、自らの業務に合わせてアプリやAIを作る取り組み。AIを「与えられて使う」から「自分で仕立てる」へと立場を変える鍵となる概念。

RAG(検索拡張生成)
社内マニュアルや過去文書などの自社データをAIに参照させ、それに基づいて回答を生成させる仕組み。汎用AIが答えられない「自社固有の情報」に対応させる中核技術。

AI推進リーダー
社内で生成AIの活用を旗振りし、定着を主導する役割の人材。ツールを配るだけでは現場が動かないため、推進役の育成が定着の鍵とされる。

シングルサインオン(SSO)
一度の認証で複数のシステムへ安全にログインできる仕組み。社内機密を扱うAIにおいて、情報漏洩防止とアクセス管理を両立させるために重視される。

DX(デジタルトランスフォーメーション)
デジタル技術を用いて業務や事業モデルを変革する取り組み。AIの全社活用は、その中核施策の一つに位置づけられる。

【参考リンク】

株式会社Lightblue 公式サイト(外部)
東京大学発のAIスタートアップ。法人向けAIアシスタントや日本語LLMを開発し、生成AIの全社活用支援を行う企業の公式サイト。

株式会社イプロス 公式サイト(外部)
本リリースの配信元。製造業・建設業向けデータベースを運営し、展示会「イプロスAI」を主催する企業の公式サイト。

イプロスAI 2026 夏 公式サイト(外部)
本講演が行われる展示会の公式サイト。AI/DX関連の出展・セミナー情報を掲載する大型イベントの案内ページ。

清水建設、生成AIアシスタントを全社に導入|Lightblue(外部)
本文で触れた導入事例。施工要領書をRAGで検索する技術文書アシスタントを開発し、全社導入を決定したと伝えている。

【参考記事】

生成AIに関する実態調査2025春 5カ国比較|PwC Japan(外部)
日米英独中5カ国を比較した調査。日本企業は効果が期待を下回る企業が増え、活用の二極化が続いていると報告している。

生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)|帝国データバンク(外部)
全国23,349社対象・有効回答10,312社の調査。導入の有無より、実務での使われ方と効果の把握が重要と指摘している。

2026年最新「企業の生成AI利用実態調査」|コマースピック(外部)
管理職約1,008名対象の調査紹介。人材間のスキル格差や、導入後に定着しない課題を抱える企業の存在を報告している。

【関連記事】

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同じ「イプロスAI 2026 夏」のセッション。ベンダーが提供するツールに「役割と居場所」を設計して定着させる、いわばトップダウン側からの定着論。現場が自分で仕立てる本記事の視点と対で読むと面白い。

富士通「自己進化マルチAIエージェント」を自社実証|7/29開催「イプロスAI 2026 夏」で伊藤百花氏が業務変革のリアルを公開
同展示会のセッション。「育てるAI」から「自ら育つAI」へという、定着のさらに先を見据えた一報。

【7/31無料講演】AIで効率化したのに、なぜ顧客は離れるのか?『無敗営業』高橋浩一氏が語る「脱・量産型のAI提案書」
同展示会の営業×AIセッション。人とAIの役割分担という、本記事とも響き合うテーマを扱う。

【編集部後記】

道具というものは、誰かから手渡された瞬間ではなく、自分の手になじんだ瞬間に「自分のもの」になるのだと思います。借りた工具と、使い込んだ工具の違い、と言ってもいい。今回のメソッドに惹かれたのは、AIを賢くする話ではなく、「現場の人が、自分の手でAIをならしていく」過程に光を当てている点でした。新しい技術の“最初の窓口”を名乗る私自身、配ることと根づかせることの距離には、何度も唸らされてきました。

技術そのものより、それを誰がどう自分の仕事に編み込むか。みなさんの職場では、AIはまだ「貸し出された道具」でしょうか、それとも少しずつ「自分の道具」になりつつありますか。何があればその一歩が踏み出せそうか、よかったら一緒に考えてみたいです。参加は無料・事前登録制とのことなので、ご都合の合う方は、会場で実例に触れてみるのも面白いかもしれません。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。