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Operaブラウザの開発版でローカルLLMを実現。Opera ARIAをインストールしてみた

Operaブラウザの開発版でローカルLLMを実現。Opera ARIAをインストールしてみた - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-04-22 14:23 by admin

ローカルLLMの実装でプライバシー保護とオフライン対応を両立

Webブラウザの老舗であるOperaが、AIアシスタント「Aria」にローカルの大規模言語モデル(LLM)を使用する機能を追加しました。これにより、ユーザーはサーバーにデータを送信することなく、自分のデバイス上でLLMを活用したAI処理を行えるようになります。

Ariaのローカル大規模言語モデルの実装は、プライバシー保護、オフライン対応、パーソナライゼーション、情報処理の効率化など、様々な場面での応用が期待されます。ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズ性の高さも魅力です。

開発版をインストールしてみた。

Operaのバージョンには大きく分けて、通常版とベータ版、そして開発版の3種類がある。
この記事を書いている2024年4月11日現在ローカルLLMを試せるのは開発版だけなので注意が必要です。

Operaのアイコン
オペラのアイコン

Windowsの場合はタスクバーに表示されるアイコンが3種類で色が異なっており、赤が通常版、白がベータ版、青っぽいアイコンが開発版です。

開発版はベータ版ダウンロードページと同じページにあるのでスクロールして開発版をダウンロードしてください。

【公式:Operaベータ版・開発版のDLページ】
https://www.opera.com/ja/browsers/opera/beta

Operaのインストール画面
operaaria07

そのままインストールすると、Operaが標準のブラウザに設定されるので、標準にしたくない方はオプションを選択してチェックを外しておくと良いでしょう。

Operaインストールの オプション画面 - innovaTopia - (イノベトピア)
operaaria08

インストールが終了したら左のパネルから「Aria」を開き、上部のドロップダウンボックスで「ローカルAIモデルを選択」を選べば完了です。

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operaaria09

ローカルLLMによって可能になること

ローカルLLMによって、以下のようなことが可能になります。

  1. 機密情報を扱う業務や個人的なタスクでのAI活用(プライバシー保護)
  2. インターネット接続が不安定な環境でのAIアシスタント利用(オフライン対応)
  3. ゲーム内NPCの高度化やパーソナライズされた学習アシスタントの実現
  4. 端末上での効率的な情報分析・要約(クラウドサービス不要)
  5. ユーザーによるLLMのファインチューニングとカスタムAIアシスタントの開発

ローカルLLMのデメリット

一方で、ローカルLLMには以下のようなデメリットも存在します。

  1. GPUやTPUなどの高性能な演算装置やリソースが必要
  2. クラウドベースのLLMと比べて処理速度が遅くなる可能性がある
  3. 出力内容の真偽や倫理性が不明確
  4. 個人情報漏洩や偏見・差別のリスクがある
  5. APIサービスよりも一般的に性能は下がる
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中国企業による買収に伴うリスクも考慮が必要

しかし、Operaブラウザを開発するOpera Softwareは、2016年に中国企業に買収されたことで、いくつかのリスクが指摘されています。中国の「国家情報法」により、ユーザーのプライバシーが侵害される可能性や、開発方針の変更リスクなどが懸念されます。

これらのリスクはローカルLLM機能にも一定程度影響する可能性があります。LLMモデルの信頼性や、プライバシー侵害の可能性、セキュリティ上の脆弱性など、様々な角度からの検討が必要です。

今後の期待と展望

Operaのローカル大規模言語モデル機能は、プライバシー保護とオフライン環境対応を両立する画期的な取り組みです。今後、個人や企業がAIをより身近に活用する上で重要な役割を果たすと考えられます。

また、ローカルLLMの活用は、AIの民主化と多様性の促進にも繋がるでしょう。ユーザーが自由にLLMをカスタマイズし、自分たちのニーズに合ったAIアシスタントを開発できるようになれば、AIはより身近で役立つ存在になるはずです。

一方で、中国企業による買収に伴うリスクは無視できません。ユーザーは自身のセキュリティとプライバシーに関する判断に基づいて、Operaの使用の可否を決める必要があります。

Operaの開発版でローカルLLMを実現。開発版を使ってみた。
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利便性とリスクを天秤にかけて使用の可否を判断

総じて、Operaのローカル大規模言語モデル機能は利便性が高い一方で、中国企業による買収に伴うリスクを完全に排除することは難しいと言えます。また、ローカルLLMならではのデメリットも考慮する必要があります。ユーザーは自身のセキュリティとプライバシーに関する判断に基づいて、使用の可否を決める必要があるでしょう。

Operaの革新的な取り組みは注目に値しますが、リスクも考慮する必要があります。ユーザーは自身のニーズとリスク許容度を慎重に評価し、最適なブラウザを選択することが重要です。

AIの力を個人や社会のために活用しながら、プライバシーとセキュリティのリスクに適切に対処していく姿勢が重要だと言えるでしょう。

【参考リンク】
Opera公式

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TaTsu
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