Switch Liteを思わせる横型デザインでも、遊び方まで同じとは限りません。ANBERNIC「RG 55G1」は、完成されたゲーム環境をそのまま使う携帯機とは異なる性格を持っています。どんな人に向く一台なのか、その違いを見ていきます。
ANBERNICは、携帯ゲーム機「RG 55G1」を2026年8月31日に150ドル(日本円セール価格で約22999円)から発売する。5.5インチ、1,920×1,080のディスプレイとAndroid 14、Qualcomm Snapdragon G1 Gen 2を搭載し、レトロゲームのエミュレーションを主用途とする。
メモリ/ストレージは4GB/64GBと8GB/128GBを用意。発売時には10ドルの期間限定割引が設定される。Nintendo Switch Liteを思わせる横型デザインも特徴だ。
From:
Anbernic’s RG 55G1 is a $150 Switch Lite lookalike built for retro gaming
アイキャッチ画像はANBERNIC公式製品ページより引用
【編集部解説】
2万円台前半で、5.5インチFHDとSnapdragonを搭載
RG 55G1の特徴は、単にNintendo Switch Liteに似た外観ではなく、レトロゲーム向け携帯機として比較的高いハードウェア構成を2万円台前半にまとめている点です。
ANBERNIC日本公式ストアでは、4GB RAM+64GBストレージ版の通常価格を24,599円、発売時のセール価格を22,999円と案内しています。販売開始は2026年8月31日19時(JST)の予定です。
画面は5.5インチのIncell IPSで、解像度は1,920×1,080。SoCには4nmプロセスのQualcomm Snapdragon G1 Gen 2、GPUにはAdreno A12を搭載します。メモリとストレージは4GB+64GB、8GB+128GBの2構成で、microSDカードは最大2TBまで対応します。OSはAndroid 14です。
同じ5.5インチ画面を持つNintendo Switch Liteは1,280×720、重量約275gです。一方、RG 55G1は1,920×1,080、重量339gとなっています。画面解像度ではRG 55G1が上ですが、重量ではSwitch Liteの方が約64g軽量です。
主役は「Switchゲーム」ではなくAndroidとエミュレーター
外観からSwitch Liteの代替機のように見えるかもしれませんが、遊べるゲームの仕組みは大きく異なります。
Nintendo Switch Liteは、携帯モードに対応したNintendo Switchソフトを遊ぶための専用ゲーム機です。RG 55G1はAndroidゲームに加え、20種類以上のエミュレーターに対応するとANBERNICが説明しています。
また、日本公式ストアではRG 55G1について「ゲームSDカードが含まれていません」と明記されています。つまり、購入してすぐ大量のレトロゲームが入った状態で遊べる製品ではなく、利用するゲームや環境をユーザー自身で準備することが前提になります。
この点は購入前に理解しておきたい部分です。ゲーム機として完成されたソフトウェア環境を求める人と、Android上で自分好みのゲーム環境を構築したい人では、同じ2万円台の携帯機でも評価が大きく変わります。
Hallスティックやアクティブ冷却など、操作系も重視
操作系には3D Hall効果ジョイスティックとHall効果トリガーを採用し、高速ファンとヒートパイプによるアクティブ冷却も搭載します。6軸ジャイロセンサー、振動モーター、3.5mmヘッドホン端子にも対応しています。
バッテリー容量は6,000mAhで、ANBERNICは最大8時間の駆動を案内しています。ただし、これはメーカー公称値であり、Androidゲームやエミュレーターの負荷、画面輝度などによって実際の駆動時間は変わります。公開済みの初期レビューでは、8時間という公称値を裏付ける詳細なバッテリー実測は確認できません。
向いているのは「自分で環境を作りたい」ユーザー
RG 55G1は、購入後すぐにメーカーが用意したゲームライブラリだけを遊びたい人よりも、Androidやエミュレーターを使って自分でゲーム環境を整えたい人に向いた製品です。
5.5インチFHD、Snapdragon G1 Gen 2、Hall効果スティック、最大2TBのmicroSD拡張など、携帯型レトロゲーム機として使うためのハードウェアは一通りそろっています。
一方で、Nintendo Switch Liteのように対応ソフトを購入してそのまま遊ぶ製品ではありません。見た目の近さよりも、この「ゲーム環境を自分で構築する端末」という違いを理解できるかどうかが、RG 55G1を選ぶ際の重要な判断材料になりそうです。
【関連記事】
Intel Panther Lakeに低価格ハンドヘルド向け構成か|4 Xe3コアで価格帯拡大の可能性
携帯ゲーム機市場で、高性能化だけでなく低価格帯へ選択肢が広がる可能性を取り上げた記事。RG 55G1がAndroidベースのレトロゲーム機であるのに対し、こちらはWindows系ハンドヘルドPC向けプロセッサーの動向を扱っている。
Intel、ついにハンドヘルドでAMDと競える水準へ|Arc G3 ExtremeをMSI Clawで実機検証
IntelのArc G3 Extremeを搭載した高性能Windowsハンドヘルドを扱った記事。約29万円のハイエンド携帯型PCと、2万円台前半のRG 55G1では価格も用途も大きく異なり、現在のハンドヘルド市場の幅を比較できる。
Mecha Comet、オープンソースのモジュール式Linuxハンドヘルドが登場|Kickstarterで数時間に35万ドル調達
Linuxを搭載し、ゲームパッドなどを追加できるモジュール式ハンドヘルドを紹介した記事。RG 55G1とは用途が異なるものの、専用ゲーム機だけではない携帯型デバイスの広がりという点で関連する。
【編集部後記】
こういったレトロゲーム向けの携帯機を見ると、つい一台欲しくなってしまいます。2万円台前半でFHDディスプレイやSnapdragonを搭載しているのは、かなり魅力的に感じました。一方で、ゲームを入れてすぐ遊ぶ製品ではなく、自分で環境を整える必要があります。個人的には、その設定作業まで含めて楽しめる人にはかなり面白い一台だと思います。
Switch Liteとはまったく違う方向性ですが、この価格なら少し試してみたくなりますね。
【参考リンク】
ANBERNIC RG 55G1|ANBERNIC日本公式(外部)
日本向けの製品ページ。4GB+64GB/8GB+128GB構成、5.5インチFHDディスプレイ、Android 14、Snapdragon G1 Gen 2、対応機能、価格などを確認できる。
Nintendo Switch Lite|任天堂(外部)
携帯モードに対応したNintendo Switchソフトを遊べる携帯専用モデル。RG 55G1との用途やソフトウェア環境の違いを確認するための公式情報。
【参考動画】
【参考記事】
ANBERNIC RG 55G1:新コア搭載の新型横型ハンドヘルド|ANBERNIC(外部)
2026年6月22日に公開された公式プレビュー。2.5Dガラス、横型レイアウト、3D Hall効果ジョイスティック、Hall効果トリガーなど、発売前に公開された設計上の特徴を確認できる。
ANBERNIC RG 55G1|ANBERNIC(外部)
製品仕様の一次情報。5.5インチ・1,920×1,080ディスプレイ、Snapdragon G1 Gen 2、Android 14、最大2TBのTFカード、6,000mAhバッテリー、本体重量339gなどを掲載している。
Nintendo Switch Lite 本体仕様|任天堂(外部)
5.5インチ・1,280×720ディスプレイ、重量約275g、バッテリー持続時間約3〜7時間など、RG 55G1との比較に使用したSwitch Liteの公式仕様。
Nintendo Switch Lite|任天堂(外部)
Nintendo Switch Liteが携帯モード対応のNintendo Switchソフトを遊ぶための携帯専用ゲーム機であることを確認する公式ページ。RG 55G1とのソフトウェア環境の違いを整理する際に使用。

















