COP31とは|アンタルヤ会議の日程と争点、「1.5℃超え」の先に何を決めるか

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原油の値段が、4年ぶりの高さになっています。ホルムズ海峡の混乱が続き、指標となる北海ブレント原油は10月23日、1バレル116ドルを超えました。化石燃料に頼る危うさがあらわになるなか、11月9日、トルコのアンタルヤで国連の気候変動会議「COP31」が始まります。開幕を前に、国連環境計画は10月、気温の上昇を1.5℃に抑える目標について、超えずに済む道も、わずかに超えるだけで済む道も「もうない」と報告しました。目標を超えることが前提になったとき、会議は何を決めるのでしょうか。

最新情報(随時更新)

11月3日 本記事を公開しました。会期中は、開幕、首脳級会合、閣僚級会合の時点で更新し、閉幕後の結果は新しい記事にまとめます。


目次▼COP31とは気候変動枠組条約の締約国会議 / 2つの国で分ける議長 / 日程▼「1.5℃超え」が前提にわずかな超過で済む道も「もうない」 / 各国の目標を足しても、2035年に約6%減 / 記録的な濃度と、エルニーニョ▼争点① 適応の資金「3倍」をどう数えるか基準のない「3倍」 / 初日の議題争い / 損失と損害の基金、初めての配分▼争点② 化石燃料からの移行と、増える電力COP30で書けなかった言葉 / 国連の外での動き / 原油高のなかで / 電力を求めるAIとデータセンター▼争点③ 公正な移行と、2回目の点検公正な移行の仕組み / 2回目のグローバル・ストックテイクが始まる▼米国のいないパリ協定 条約には残り、協定からは離脱▼日本の現在地削減目標と、その評価 / 原油高と石炭火力 / 資金と、出席▼会期中、どこを見ればよいか 7つの注目点
編集部後記 / 参考リンク / 用語解説 / 参考記事 / 関連記事


国連の気候変動枠組条約の第31回締約国会議(COP31)が、2026年11月9日から20日まで、トルコのアンタルヤで開かれる。会議はトルコが議長を務め、交渉はオーストラリアの気候変動・エネルギー相が「交渉議長」として取りまとめる、初めての分担の形をとる。国連環境計画(UNEP)が10月21日に公表した報告書は、各国の目標をすべて実施しても今世紀の気温上昇は約2.6℃になると見積もり、1.5℃を超えないか、わずかに超えるだけで済む道は「もうない」とした。国連の集計では、各国の新しい削減目標を合わせても、2035年の排出は2019年比で約6%減にとどまる。会議では、適応の資金を「3倍」にする目標の数え方、化石燃料からの移行、公正な移行の仕組みが焦点となり、パリ協定の2回目のグローバル・ストックテイクも始まる。米国はパリ協定から離脱しており、日本の環境大臣の出席は決まっていない。

【編集部解説】

COP31とは

気候変動枠組条約の締約国会議

COPは、条約を結んだ国々が集まって物事を決める「締約国会議」です。COP31は、1992年に採択された国連気候変動枠組条約の31回目の会議にあたります。同じ会場では、京都議定書の締約国会合(CMP21)と、パリ協定の締約国会合(CMA8)、2つの補助機関の会合も開かれます。物事は、すべての国の合意(コンセンサス)で決めます。

10月31日に閉幕した生物多様性条約のCOP17とは、別の条約の会議です。生物多様性のCOP17の結果は「生物多様性COP17が閉幕|エレバン・パスウェイを採択、資金とカリ基金は先送り」にまとめています。

2つの国で分ける議長

COP31は、議長の役割を2つの国で分ける、初めての会議です。開催地をめぐってトルコとオーストラリアが譲らず、2025年11月のCOP30(ブラジル・ベレン)の会期中に妥協が成立しました。トルコが会議を開いて議長を務め、オーストラリアが交渉を取りまとめ、準備会合は太平洋の国で開くという分担です。

議長には、トルコのムラト・クルム環境・都市化・気候変動相が就く予定です。交渉議長は、オーストラリアのクリス・ボーエン気候変動・エネルギー相が務めます。国連の暫定議題にも、この2つの役職が並んでいます。トルコは首脳級会合や、交渉の外で各国や企業が取り組みを示す「アクション・アジェンダ」を担い、オーストラリアは決定の文書案づくりを担うとされます。

ただし、役割の線引きには食い違う発言もあります。英国の気候専門メディア、クライメート・ホーム・ニュースによると、クルム氏は9月、トルコとオーストラリアは「共同議長ではない」とし、最終的な決定はCOP31の議長にあると述べました。一方で、同じ報道によると、両国の運営の取り決めの文書は、交渉議長が交渉について「排他的な権限」を持つとしています。

準備会合(プレCOP)は、10月5日から8日にかけて、首脳級の行事をツバルとフィジーで、閣僚級の会合をフィジーのナンディで開きました。国連気候変動枠組条約の事務局によると、100を超える国から約4,000人が参加し、首脳級の宣言「タク・パカソア」が採択されました。オーストラリアは、2030年までに世界で屋根置きの太陽光パネル3億枚をめざす呼びかけを始めています。

日程

主な日程は次のとおりです。日付は現地時間で、日本時間はトルコより6時間進んでいます。

日付出来事
10月5〜8日プレCOP(ツバル、フィジー)
10月21日UNEP「排出ギャップ報告書2026」の公表
10月27日国連気候変動枠組条約の事務局が、各国の削減目標(NDC)の統合報告書を公表
11月9日開会
11月11〜12日首脳級会合
11月16日COP29〜31の議長国による「ベレン・ミッション1.5」の最終報告
11月17〜19日ハイレベル会合(閣僚級)
11月20日閉幕(予定)

首脳級会合が、例年のような開会直後ではなく、3日目と4日目に置かれているのも特徴です。トルコの報道によると、クルム氏は85人の首脳の参加が確定したと述べています。次のCOP32は、2027年11月にエチオピアで開かれる予定です。

「1.5℃超え」が前提に

わずかな超過で済む道も「もうない」

パリ協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命前から2℃を十分に下回る水準に抑え、1.5℃に抑える努力を続けることを目標にしています。

国連環境計画が10月21日に公表した「排出ギャップ報告書2026」は、今の政策のままなら今世紀の気温上昇は約2.8℃、各国が掲げる目標をすべて実施しても約2.6℃になると見積もりました。各国のネットゼロ目標まで達成した場合でも約2.1℃です。報告書は、1.5℃を超えないか、超えてもわずかで済む道は、もう残っていないとしています。

そのうえで報告書は、超える幅をできるだけ小さくし、その後に1.5℃へ戻していく道筋を示しています。2025年と比べて、2030年までに18%、2035年までに45%、2040年までに69%の削減が必要で、その場合でも、気温上昇のピークは今世紀半ばごろに1.7〜1.8℃に達します。各国の目標で見込める削減は、2035年でも11〜15%にとどまります。

前年の報告書は、目標をすべて実施した場合の上昇を2.3〜2.5℃としていました。今回の数字が高くなったのは、米国の目標を計算から外したことと、過去の排出量の見直しによるものだと、国連環境計画は説明しています。

各国の目標を足しても、2035年に約6%減

パリ協定のもとで、各国は5年ごとに削減目標(NDC)を出します。国連気候変動枠組条約の事務局が10月27日に公表した統合報告書によると、2024年1月から2026年8月末までに、154の締約国から127件の新しい目標が出されました。世界の排出量の約7割を占めます。

これらを合わせると、2035年の排出は2019年比で約6%減、すべてを完全に実施した場合で約9%減です。事務局のサイモン・スティール事務局長は、集団としての進捗は「明らかに不十分」だと述べました。

なお、事務局が2025年11月に出した集計では、2035年に約12%減とされていました。対象となる国や計算の方法が異なるとみられますが、今回の報告書は差の理由を説明していません。

記録的な濃度と、エルニーニョ

世界気象機関(WMO)によると、2025年の大気中の二酸化炭素の濃度は426.8ppmで、産業革命前の153%にあたり、過去最高を更新しました。WMOは9月、非常に強いエルニーニョ現象がCOP31の会期中も続き、2027年2月ごろまで続く見込みだと各国に説明しています。

議長のクルム氏も、1.5℃に抑えることはもうできないと認め、「1.5℃前後」に抑えられれば成功だと述べています(クライメート・ホーム・ニュース)。交渉議長を務めるオーストラリアと議長国トルコは、短い全体決定(カバー決定)をめざすとしています。クライメート・ホーム・ニュースによると、ボーエン氏は、1.5℃の超過は避けられないとする国連の報告を、決定が認める可能性に触れています。そのうえで、気温を再び1.5℃まで下げることはできるとも述べています。

争点① 適応の資金「3倍」をどう数えるか

基準のない「3倍」

気候変動の影響に備える「適応」の資金は、途上国にとって最大の関心事の一つです。COP30は、適応の資金を2035年までに「少なくとも3倍」にする努力を求めました。ただし、何年の、どの額を基準にするのかは書かれていません。COP29で決めた、2035年までに年3000億ドルという資金目標の内側に位置づけられています。

国連環境計画の2025年の報告書は、途上国の適応に必要な資金を、2035年に年3100億ドルを超えると見積もっています。先進国から途上国への適応の資金は、公式の最新の数字で2022年に289億ドルでした。

初日の議題争い

クライメート・ホーム・ニュースによると、アフリカの国々のグループは、適応の資金の3倍化などを、新しい議題として加えるよう求めています。後発開発途上国(LDC)のグループは、3倍化を「2030年までに年1200億ドル」と定義するよう求めています。これに対し、EU、英国、日本は、6月のボンでの会合で、3倍化を適応の世界全体の目標の議論と結びつけることに反対していました。議題は開会の日に採択されるため、初日から対立が表に出る可能性があります。

資金全体の流れも、追い風ではありません。米国は緑の気候基金への今後の拠出を取り消し、英国も拠出の約束を減らしました。経済協力開発機構(OECD)の集計では、先進国の公的な気候資金は、2023年から2024年にかけて初めて減りました。

損失と損害の基金、初めての配分

気候変動による被害を補う「損失と損害」の基金は、10月22日の理事会で、初めて配分を決めました。8月の洪水に見舞われたネパールへの2000万ドルです。クライメート・ホーム・ニュースによると、ドイツやチェコは「前例にしない」ことを求め、日本も「真に例外的」なものだと発言しました。最初の事業の選定は、12月の理事会で行われる見込みです。

争点② 化石燃料からの移行と、増える電力

COP30で書けなかった言葉

2023年のCOP28は、「化石燃料からの移行」に合意しました。ところが、2025年のCOP30の決定文には、化石燃料という言葉が入りませんでした。80を超える国が移行の行程表(ロードマップ)を求めましたが、産油国などの反対で合意に至らなかったためです。

COP30の議長国ブラジルは、交渉とは別に、化石燃料からの移行と森林破壊の終わらせ方について、任意の行程表をつくると約束しました。ブラジルの報道によると、議長国が3月に公表した報告書は、化石燃料の行程表をCOP31までに示すとしています。公表されたかどうかは、11月3日の時点で確認できていません。

国連の外での動き

2026年4月には、コロンビアのサンタマルタで、化石燃料からの移行をテーマにした初めての国際会議が、国連の交渉とは別に開かれました。英国の気候専門メディア、カーボン・ブリーフによると57カ国が参加し、各国の行程表づくり、資金と補助金の見直し、貿易の3つの作業を任意で進めることになりました。化石燃料の条約づくりを求める国もありましたが、会議の成果には入りませんでした。次回は2027年に、ツバルとアイルランドの共催で、ツバルで開かれる予定です。

COP31の議長国トルコの「アクション・アジェンダ」は、化石燃料からの移行を正面には掲げず、電化を柱にしています。トルコは、世界の最終エネルギー消費に占める電力の割合を、2035年までに今の23%から35%に高めるという任意の目標を呼びかけ、オーストラリアも賛同しています。一方で、トルコの電源の3分の1以上は石炭で、2035年の削減目標は、実際には排出の増加を抑える内容だと指摘されています。

原油高のなかで

2026年2月末の米国とイスラエルによるイラン攻撃以降、ホルムズ海峡の通航は大きく混乱しています。国際エネルギー機関(IEA)は8月、2026年の世界の石油の需要が前年より日量156万バレル減ると見通しました。化石燃料の供給の危うさは、移行を急ぐ理由にも、手元の石炭やガスに頼る理由にもなっています。

電力を求めるAIとデータセンター

電化を進めるほど、電気をどうつくるかが問われます。そこに加わっているのが、人工知能(AI)を動かすデータセンターの電力です。業界メディアのEnlitが伝えた国際エネルギー機関の分析(2026年4月)によると、2025年のデータセンターの電力需要は前年より17%増え、AI向けのデータセンターに限れば50%増えました。データセンター全体の需要は2030年までにおよそ2倍の950テラワット時に達し、世界の電力需要の約3%を占める見通しです。

国連気候変動枠組条約のスティール事務局長は9月、AI企業の経営者は事業を続けるうえで「薄氷の上」にいると述べ、信頼できる気候目標を立て、エネルギーの使用量を開示し、データセンターを再生可能エネルギーで動かすよう求めました。クライメート・ホーム・ニュースによると、中国ではデータセンターの電力の約7割を石炭がまかなっています。

COP31の議長国トルコは同じ日、「アンタルヤAI誓約」を発表しました。AIをどう設計し、調達し、どんな電力で動かし、どう測るかについての、任意の政治的な約束です。クルム氏は、政府や企業がデータセンターのエネルギー使用量を開示し、再生可能エネルギーへ切り替えることを求め、「政府が条件を定め始める時だ」と述べています。会期中には、技術とAIをテーマにした日も設けられる見込みです。

AIデータセンターの環境負荷は、10月27日のブループラネット賞の受賞者会見でも話題になり、環境経済学者のバービエイ教授は、その影響を監視し評価する手法の確立を求めました。詳しくは「第35回ブループラネット賞受賞者会見|バーンバウム博士とバービエイ教授が語ったPFAS、グリーン経済、AIの環境負荷」で紹介しています。

争点③ 公正な移行と、2回目の点検

公正な移行の仕組み

化石燃料の産業で働く人や地域が取り残されないようにする「公正な移行」について、COP30は新しい仕組みをつくることに合意しました。COP31では、その仕組みを実際に動かすための決定が議論されます。オーストラリアとトルコは、公正な移行の仕組み、2回目のグローバル・ストックテイクでの科学の扱い、適応の資金の拡大を、優先する3点に挙げています。

2回目のグローバル・ストックテイクが始まる

パリ協定の目標に向けた世界全体の進み具合を点検する「グローバル・ストックテイク」の2回目は、COP31と同時に開かれるパリ協定の締約国会合で始まります。各国などからの情報の提出は2027年2月末まで、技術的な評価は2027年6月から始まり、2028年11月のCOP33で終わります。

この点検に最新の科学を間に合わせられるかどうかは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第7次評価報告書の日程にかかっています。IPCCの総会は10月、その日程を決められないまま中断し、再開の日程はまだ示されていません。経緯は「IPCC総会、日程を決められないまま中断|同じ「公平さ」が分けた科学の締め切り」で解説しています。

米国のいないパリ協定

米国のパリ協定からの離脱は、2026年1月27日に発効しました。さらに米国は、気候変動枠組条約そのものからの離脱も通告しており、国連の寄託の記録によると、その効力が生じるのは2027年2月27日です。つまりCOP31の時点の米国は、条約の締約国ではあるものの、パリ協定の締約国ではありません。米国はCOP30に代表団を送っておらず、COP31への参加の方針は、11月3日の時点で確認できていません。

国連環境計画の報告書が、米国の目標を計算から外したように、世界2位の排出国の不在は、数字の上でも表れています。

日本の現在地

削減目標と、その評価

日本は2025年2月、温室効果ガスの排出を2013年度比で、2035年度に60%、2040年度に73%減らす目標を国連に提出しました。各国の目標を評価する研究機関の連合「クライメート・アクション・トラッカー」は、この目標を「不十分」と評価しています。

2024年度の日本の排出量は、森林などの吸収量を差し引いて9億9400万トンで、2013年度比28.7%減と過去最少を更新しました。ただし、前年度からの減り幅は1.9%にとどまり、削減のペースは鈍っています。発電に占める化石燃料の割合は67.5%でした。

原油高と石炭火力

ホルムズ海峡の混乱を受けて、日本政府は3月、効率の低い石炭火力発電所の稼働率を50%に抑える規制を、2026年度の1年間止めることを決めました。共同通信によると、液化天然ガス(LNG)を年に約50万トン節約するための措置です。エネルギーの安全保障と気候変動の対策をどう両立させるかは、COP31で問われることでもあります。

一方で、2026年度からは、排出量の多い企業に参加を義務づける排出量取引制度「GX-ETS」が始まりました。途上国の削減事業に技術や資金を出し、その削減量を日本の目標に数える「二国間クレジット制度(JCM)」の相手国は、2026年5月末で32カ国です。

資金と、出席

2021年から2025年までを対象にした日本の気候資金の約束は期間が終わり、それに続く新しい約束はまだ示されていません。プレCOPに出席した石井拓環境大臣政務官は、資金の源を多様にする必要を訴え、拠出する余力のある途上国の貢献にも触れました。資金の出し手の範囲を広げるという考え方は、生物多様性のCOP17でも、日本が求める側にいた論点です。

笹川博義環境大臣は、9月の就任会見で、COP31への出席は国会の了承次第だとしつつ、「強い思い」があると述べました。11月3日の時点で、出席の発表は確認できていません。会場には日本パビリオンが設けられ、企業や団体の技術を紹介する展示が予定されています。

会期中、どこを見ればよいか

会議は12日間続きます。ニュースを追うときには、次の点に注目すると、何が決まったのかが見えやすくなります。

  • 初日の議題:適応の資金や貿易などの新しい議題をめぐって、開会が遅れるか。
  • 全体決定:1.5℃の超過が避けられないことを、文書が認めるか。認めたうえで、何を求めるか。
  • 適応の資金:「3倍」の基準や額が、具体的になるか。
  • 化石燃料:ブラジルの行程表が示されるか。決定文に、化石燃料という言葉が戻るか。
  • AI:「アンタルヤAI誓約」に、どの国や企業が加わるか。データセンターの電力の開示や、再生可能エネルギーへの切り替えが約束に入るか。
  • 公正な移行:COP30で合意した仕組みが、動き出すか。
  • 日本:大臣が出席するか。新しい資金の約束を示すか。

innovaTopiaでは、開幕、首脳級会合、閣僚級会合の時点で、この記事の最新情報を更新し、閉幕後の結果は新しい記事にまとめます。

【編集部後記】

1.5℃という数字は、パリ協定から10年あまり、気候変動の対策の目印でした。その目印を一時的にでも超えることが、国連の報告書で前提になりました。目標を超えたあとの世界で、削減を急ぐ理由はむしろ強まります。超える幅が0.1℃小さいだけでも、熱波や海面の上昇の影響は変わるからです。一方で、私たちの暮らしは、原油高のなかで、手元の石炭やガスに頼る方向にも引っぱられています。AIを使うたびに、遠くのデータセンターで電気が使われていることも、もう無関係ではありません。守れなかった目標を、どう次の約束につなぎ直すのか。アンタルヤでの12日間を、その問いとともに追っていきます。

  1. UNFCCC|COP31の暫定議題(PDF)(外部)
    会期、議長と交渉議長の名前、首脳級会合とハイレベル会合の日程(英語)。
  2. UNFCCC|NDC統合報告書などの公表(10月27日)(外部)
    各国の新しい削減目標を合わせた2035年の排出の見通し(英語)。
  3. UNFCCC|2回目のグローバル・ストックテイク(外部)
    開始の時期と、情報の提出、技術的な評価、終了までの日程(英語)。
  4. UNFCCC|プレCOP最終日のまとめ(外部)
    フィジーとツバルで開かれた準備会合の参加者と、首脳宣言(英語)。
  5. WMO|温室効果ガス年報(10月)(外部)
    2025年の二酸化炭素などの濃度(英語)。
  6. 環境省|プレCOP31の結果について(外部)
    日本からの出席者と、石井環境大臣政務官の発言。
  7. ジャパン・パビリオン|COP31(外部)
    COP31の日本パビリオンの展示と催し。

【用語解説】

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)
大気中の温室効果ガスの濃度を安定させることを目的とする条約。1992年に採択され、1994年に発効した。締約国会議(COP)は毎年開かれる。

パリ協定
2015年のCOP21で採択された、2020年以降の気候変動対策の国際的な枠組み。気温上昇を2℃を十分に下回る水準に抑え、1.5℃に抑える努力を追求する。各国は5年ごとに削減目標を出す。

NDC(国が決定する貢献)
パリ協定のもとで、各国が自ら決めて国連に提出する温室効果ガスの削減目標や行動計画。

オーバーシュート(超過)
気温の上昇が一時的に1.5℃などの目標を超え、その後の削減や吸収によって下がる道筋。

適応
すでに起きている、またはこれから起きる気候変動の影響に備え、被害を減らす取り組み。堤防の整備や、暑さに強い作物の導入など。

損失と損害
適応では防ぎきれない気候変動の被害。2023年のCOP28で、被害を補うための基金の運用が始まった。

公正な移行
化石燃料から脱炭素へ移るなかで、働く人や地域が取り残されないようにする考え方。

グローバル・ストックテイク
パリ協定の目標に向けた世界全体の進み具合を、5年ごとに点検する仕組み。1回目は2023年に終わり、2回目はCOP31で始まって2028年に終わる。

アンタルヤAI誓約
COP31の議長国トルコが2026年9月に発表した、AIの設計、調達、電力、測定などを気候対策に沿わせるための任意の政治的な約束。データセンターのエネルギー使用量の開示や、再生可能エネルギーへの切り替えを求める。

GX-ETS
日本の排出量取引制度。2026年度から、排出量の多い企業に参加が義務づけられた。

二国間クレジット制度(JCM)
日本が途上国の脱炭素の事業に技術や資金を出し、実現した削減量の一部を日本の削減目標に数える仕組み。

【参考記事】

  1. UNEP Emissions Gap Report 2026 — PBL(外部)
    共著機関による排出ギャップ報告書2026の紹介。気温上昇の見通し(英語)。
  2. UNEP Emissions Gap Report: Seven Questions — Just Security(外部)
    1.5℃の超過、削減の道筋、前年の報告書との違い(英語)。
  3. Türkiye says it has final decision at COP31 despite Australia running negotiations — Climate Home News(外部)
    議長と交渉議長の分担をめぐるクルム氏の発言と、アクション・アジェンダ(英語)。
  4. Australia says COP31 co-presidency will work on a cover decision — Climate Home News(外部)
    短い全体決定と、両国が挙げた3つの優先事項(英語)。
  5. COP31の議題をめぐる各国の要求 — Climate Home News(外部)
    アフリカの国々の新しい議題の要求と、適応の資金の3倍化をめぐる立場(英語)。
  6. 損失と損害の基金、初めての配分 — Climate Home News(外部)
    ネパールへの2000万ドルの配分と、各国の発言(英語)。
  7. Why COP30's tripling adaptation finance target is less ambitious than it seems — Carbon Brief(外部)
    基準のない3倍化と、適応に必要な資金の見積もり(英語)。
  8. Santa Marta: Key outcomes from first summit on 'transitioning away' from fossil fuels — Carbon Brief(外部)
    サンタマルタ会議の成果と、次回の共催国(英語)。
  9. Experts: What China wants from the COP31 climate talks — Carbon Brief(外部)
    貿易と資金をめぐる中国の立場(英語)。
  10. US set to exit UN climate convention in February 2027 — Climate Home News(外部)
    米国の気候変動枠組条約からの離脱の時期(英語)。
  11. COP31 presidency announces AI pledge as UN climate chief says Big Tech 'on thin ice' — Climate Home News(外部)
    「アンタルヤAI誓約」の発表と、スティール事務局長の発言(英語)。
  12. AI and data centre electricity use continue to surge, IEA finds — Enlit(外部)
    国際エネルギー機関によるデータセンターの電力需要の分析(英語)。
  13. Japan — Climate Action Tracker(外部)
    日本の2035年目標の評価(英語)。

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