Last Updated on 2024-06-11 08:23 by admin
Appleとそのパートナーは、WWDC24でSpatial VideoとApple Immersive Videoのプロフェッショナル制作を可能にする新しいツールを発表した。
Spatial Videoは、Apple HEVC Stereo Video Profile形式を使用した立体的な3Dビデオであり、現在はiPhone 15 ProモデルとApple Vision Proでのみ撮影可能である。
Canonは、EOS R7カメラ用の「spatial lens」アタッチメントを今年後半にリリース予定であり、AppleはFinal Cut Proのアップデートを通じてspatial videosの編集サポートと「没入型タイトルとエフェクト」の追加を行う。Vimeoはspatial videosのアップロードサポートを追加し、visionOSアプリでの視聴を開始する計画である。
Apple Immersive Videoは、180度のビデオであり、8K解像度、立体的な3D、高ビットレート、空間オーディオを特徴とする。現在、Apple Immersive VideoはAppleが独自に開発した半カスタムのキャプチャーと制作技術を使用して制作されている。
Appleは、Blackmagic Designと提携し、新しいBlackmagic Designカメラ、DaVinci Resolve Studio編集ソフトウェア、およびAppleのCompressorエンコーディングツールを含むApple Immersive Video制作ワークフローを今年後半に立ち上げる。
このワークフローで作成されたApple Immersive Videosをサポートする配信プラットフォームは、現在Apple TVのみであり、詳細は今年後半に公開される予定である。
【編集者追記】用語解説
- Apple Vision Pro: Appleが2024年に発売した、ARとVRの機能を併せ持つ革新的な空間コンピューティングデバイス。ヘッドマウンテッドディスプレイ型のウェアラブル端末です。
- visionOS: Apple Vision Proの専用オペレーティングシステム。空間コンピューティング体験を実現するUI/UXが特徴です。
- Spatial Video Studio: visionOSに新たに導入された機能。Apple Vision Proを装着した状態で、360度の空間内を自由に動きながら立体映像の撮影・編集ができます。
- Spatial Photo/Video: Apple Vision Proで撮影できる3D奥行き情報を含んだ特殊な写真/動画データ。視聴時に撮影当時の空間が再現され、まるでそこに居るかのような体験ができます。
- Optic ID: Apple Vision Proの生体認証システム。ユーザーの虹彩情報を読み取り、本人確認を行います。
【参考リンク】WWDC2024
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【ニュース解説】
AppleとそのパートナーがWWDC24で発表した、Spatial VideoとApple Immersive Videoの制作を支援する新ツールは、プロフェッショナルなビデオ制作の未来に大きな影響を与える可能性があります。Spatial Videoは、Appleが提唱する立体的な3Dビデオの形式で、特定のApple製品でのみ撮影が可能です。これにより、よりリアルな視聴体験が提供され、特に映画やドキュメンタリー、教育コンテンツなどの分野での活用が期待されます。
Canonがリリース予定の「spatial lens」アタッチメントや、Final Cut Proのアップデートによる編集サポートの追加は、これまでにない高品質なSpatial Videoの制作を可能にします。また、VimeoのようなプラットフォームがSpatial Videoのアップロードと視聴をサポートすることで、コンテンツの配信と普及が促進されるでしょう。
一方、Apple Immersive Videoは、180度の視野を持つ8K解像度のビデオで、立体的な3Dと空間オーディオを特徴としています。これまでAppleが独自に制作していたこれらのビデオを、Blackmagic Designとの提携により、他の企業も制作できるようになります。これにより、コンサート、スポーツイベント、教育コンテンツなど、さまざまな分野での没入感のある視聴体験が提供されることが期待されます。
これらの技術の発展は、視聴者によりリアルで没入感のある体験を提供することで、エンターテイメントや教育の分野に革命をもたらす可能性があります。しかし、高品質なコンテンツの制作には高度な技術と専門知識が必要となるため、制作側には新たな挑戦が求められます。また、これらの高品質なビデオコンテンツの普及には、十分なデータ転送速度を持つネットワークインフラや、対応するハードウェアの普及も重要な要素となります。
長期的には、これらの技術がさらに発展し、より多くの制作会社やプラットフォームがこれらのフォーマットをサポートすることで、視聴体験の新たな標準が確立されるかもしれません。しかし、その過程で、著作権やプライバシーの問題、技術的な規格の統一など、解決すべき課題も多く存在します。これらの技術の普及と発展には、業界全体の協力と規制の整備が必要となるでしょう。
from Apple Announces Professional Tools To Create Apple Immersive Videos & Spatial Videos.