Knights of Fiona -フィオナ騎士団-|最大3人で冒険するVR JRPG、9月3日発売へ

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VR RPGの魅力は、ひとりで異世界へ入り込むことだけなのでしょうか。『Knights of Fiona』が試みるのは、JRPGで慣れ親しんだ「仲間と旅をする感覚」を、実際に同じ空間を共有する体験へ置き換えることです。


CharacterBankが開発する協力型VR RPG『Knights of Fiona』が、Meta Quest及びSteamVR向けに2026年9月3日発売予定です。

発売日はVR Games Showcaseで、新たなゲームプレイトレーラーとともに発表されました。開発元は2026年初めにKickstarterを実施し、UploadVRによると目標150万円に対して360万円超を調達しています。新たなプレイテストは日本時間8月14日から16日まで実施されました。

公式テイザーPV

From: 文献リンクMultiplayer JRPG Knights Of Fiona Launches In September For PC VR & Meta Ques

【編集部解説】

『Knights of Fiona』で注目したいのは、単にVRにマルチプレイ機能を追加したことではありません。CharacterBankは本作を、最初からVR向けに設計したJRPGと位置づけ、1人でNPCの仲間と進むだけでなく、オンラインでは最大2人の友人と3人パーティを組んで冒険できる設計にしています。

従来のJRPGでは、パーティメンバーは基本的に画面内のキャラクターです。プレイヤーはコマンドや操作キャラクターを通じて仲間を動かします。一方、本作では剣、弓、魔法などを駆使しながら、自分自身の身体操作で戦い、同じ空間にいる別のプレイヤーと協力します。

ここには、JRPGにおける「パーティ」の意味を少し変える可能性があります。仲間がHPゲージやアイコンとして存在するのではなく、自分の横で敵に向かって剣を振り、別方向から攻撃する存在になるからです。役割分担や助け合いが、メニュー上の判断だけではなく、位置関係や身体の動きを伴う体験になる点は、VRならではの特徴と言えます。

さらに興味深いのは、本作がマルチプレイを戦闘だけの追加モードとして扱っていない点です。Steamの公式説明では、すべてのクエストを3人の騎士によるパーティクエストとして設計し、ソロでは仲間のキャラクターと、オンラインでは最大2人の友人と同じ冒険を進められるとしています。

CharacterBankは2025年の発表時点から、前作『RUINSMAGUS』のプレイヤーから寄せられた意見を踏まえ、武器、ステージ、NPC、ボス戦などの幅を広げる方針を説明していました。

これは、VR RPGを「1人で仮想世界に入り込む体験」から、「同じ物語世界の中に複数の人間が入り込む体験」へ広げようとする設計とも読み取れます。MMOのように多数のプレイヤーが集まる方向ではなく、JRPGで馴染み深い少人数パーティをそのままVRへ持ち込んでいることが、本作の特徴です。

オープンベータではMeta Quest版とSteamVR版のクロスプレイにも対応し、最大3人でパーティを組めることが案内されています。プラットフォームの違いを越えてパーティを組めることは、協力型VRゲームでは参加者を集める際の障壁を下げる要素になります。

成否を分けるのは「協力プレイがあるか」ではない

一方で、発売前の現時点では、この設計が長編JRPGとしてどこまで機能するかはまだ判断できません。Steamにはユーザーレビューがなく、正式発売後のプレイ時間、マルチプレイ時の安定性、仲間とのコミュニケーションの快適さなども確認できない段階です。

VRで数時間にわたるRPGを進める場合、装着感や疲労、同じ時間に一緒に遊べる仲間を確保できるかといった、通常のオンラインRPGとは異なる条件も関わります。そのため、本作の評価を決めるのは「3人で遊べる」という機能そのものではなく、ストーリー、探索、戦闘を通じて、仲間と冒険している感覚を継続して作れるかどうかでしょう。

『Knights of Fiona』が示しているのは、VR RPGの可能性を単純に「より深く一人称世界へ没入すること」だけに求めない方向性です。誰かと同じ場所に立ち、同じ敵を見て、同じ物語を進めること自体をVRの価値にする。その設計がJRPGというジャンルとどこまで噛み合うのかが、本作を見るうえで重要なポイントになりそうです。

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【編集部後記】

筆者はXR Kaigi 2025で本作のブースを訪れ、Meta Questを装着してコンセプトムービーを実機で体験しました。そのとき印象に残ったのは、映像を見るだけでは伝わりきらない「この世界の中に自分がいる」という感覚です。JRPGらしい世界観や冒険の雰囲気が、VRになることでぐっと身近に感じられたことを覚えています。まだ開発途中の段階ではありましたが、「この世界を実際に仲間と歩けたら面白そうだ」と素直に感じました。
今回、最大3人で冒険できる作品として発売が近づいていることを知り、あのときの体験が一つのゲームとして形になっていくことに感慨があります。
VRは一人で深く没入する体験だけでなく、誰かと同じ世界を共有することで別の魅力が生まれる技術でもあります。

『Knights of Fiona』が、その「一緒に冒険した記憶」をどこまで作れる作品になるのか。
実際に触れたことのある作品だからこそ、発売後の完成形をあらためて体験してみたいと思います。


【用語解説】

VR JRPG
日本のRPGに見られる物語・キャラクター・パーティ制などの要素を、VR空間で体験するゲーム形式。本作はCharacterBankがVR向けに設計したJRPGとして展開。

SteamVR
PCに接続したVRヘッドセットでVRコンテンツを利用するためのプラットフォーム/実行環境。本作のPC版はSteamで提供予定。

クロスプレイ
異なるプラットフォームを利用しているプレイヤー同士が、同じオンラインゲームに参加できる仕組み。本作のオープンベータではMeta QuestとSteamVR間での協力プレイに対応。

【参考リンク】

Knights of Fiona 公式サイト(外部)
CharacterBankによる『Knights of Fiona』公式サイト。世界観、キャラクター、戦闘、ロケーションなどゲームの基本情報を掲載。

CharacterBank 公式サイト(外部)
京都を拠点にVR・XRゲームを開発するCharacterBankの公式サイト。『Knights of Fiona』や前作『RUINSMAGUS』などの開発情報を掲載。

Knights of Fiona|Steam(外部)
PC VR版の公式ストアページ。ゲーム内容、対応環境、オンライン協力プレイ、最新のお知らせなどを確認可能。

Knights of Fiona|Meta Quest(外部)
Meta Quest版の公式ストアページ。2026年9月3日の提供開始予定や対応ジャンルなどを掲載。

【参考記事】

日本発、新作マルチプレイVR RPG『Knights of Fiona -フィオナ騎士団-』ゲーム情報初公開!|CharacterBank(外部)
2025年11月の公式発表。VR向けに設計されたJRPGであること、ソロまたは最大3人で冒険できること、前作『RUINSMAGUS』から得たフィードバックを反映した開発方針などを説明。

Knights of Fiona|Steam(外部)
「すべてのクエストをパーティで挑む」というゲーム設計や、最大2人の友人とのオンライン協力プレイ、VRならではの身体操作を伴う戦闘など、本作のゲーム構造を確認できる公式ページ。

『Knights of Fiona ~フィオナ騎士団~』のクラウドファンディング開始|CharacterBank(外部)
2026年に実施されたクラウドファンディングについての公式発表。「物語に深く没入できる本格的なオンラインJRPG」を目指す開発方針を説明。

Experience Knights of Fiona at BitSummit PUNCH 2026|CharacterBank(外部)
協力型マルチプレイを本作の中心的な体験として位置づけ、剣・弓・魔法、探索、ボス戦などのゲーム構成を紹介した公式発表。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。

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