Last Updated on 2025-01-23 14:12 by admin
Metaは2025年に3つの新しいスマートグラス製品を展開する計画を発表した。これは2025年1月22日にBloombergのMark Gurman記者による報道で明らかになった。
新製品の詳細
1. Oakleyブランドのスマートグラス「Supernova 2」
- Oakley Sphaeraモデルをベースに設計(バイザー型で視界を最大限確保)
- フレーム中央にカメラを配置
- サイクリストやアスリート向けに特化
- 2025年内に発売予定
2. Ray-Ban高級モデル「Hypernova」
- 右レンズ下部にマイクロLEDディスプレイを搭載
- 通知、アプリ、写真プレビューの表示が可能
- 価格は約1,000ドル
- 2025年後半に発売予定
3. フル機能AR眼鏡「Artemis」
- 「Orion」プロトタイプの後継機
- 開発者向け「Orion」は2026年に提供開始
- 一般消費者向け「Artemis」は2027年初頭に発売予定
from Meta’s Oakley smartglasses could be the next big wearable trendsetter
【編集部解説】
Metaのスマートグラス戦略は、3つの異なる市場セグメントを明確に見据えています。スポーツ向けのOakley、カジュアルユーザー向けのRay-Ban、そして先端技術ユーザー(所謂”オタク層”)向けのArtemisという構成です。
特筆すべきは、世界最大のアイウェアメーカーであるEssilorLuxotticaとの協力関係の深化です。Ray-BanやOakleyなどの有名ブランドを所有する同社との連携により、Metaは技術だけでなくファッション性も重視した展開が可能になります。実際、現行のRay-Ban Metaは欧州・中東・アフリカのRay-Ban店舗の60%で売上トップを記録しています。
Supernova 2(Oakleyモデル)は、中央配置カメラやスポーツ向け機能を備え、サイクリストやアスリートという明確なターゲット層を持ちます。一方、Hypernova(Ray-Ban新モデル)は、右レンズ下部にマイクロLEDディスプレイを搭載し、通知やアプリ操作といった基本的なスマートフォン機能をシームレスに実現します。
技術面では、最新のQualcomm Snapdragon AR1 Gen1プラットフォームを採用し、高品質な写真・動画処理と高速な演算処理を実現しています。また、IPX4の防水性能も確保され、実用性が大きく向上しています。
市場規模の観点では、スマートグラス市場は2024年の19.3億ドルから、2030年までに年間成長率27.3%で拡大すると予測されています。特に、AIとARの統合が進むことで、健康モニタリングや産業用途など、新たな応用分野が広がることが期待されます。
しかし、バッテリー寿命や処理能力、プライバシーの問題など、解決すべき技術的・社会的課題も残されています。特にスポーツ用途では、汗や衝撃への耐久性、長時間使用時のバッテリー持続性が重要になってくるでしょう。
【用語解説】
- EssilorLuxottica(エシロールルックスオティカ)
世界最大のアイウェアメーカー。Ray-Ban、Oakleyなどの有名ブランドを所有。年間売上高約240億ユーロ。