Last Updated on 2025-04-28 11:37 by admin
Metaは「Hypernova」というコードネームの新型スマートグラスを2025年末までに発売する計画である。Bloombergの報道によると、この製品の価格は1,000ドル(約15万円)以上で、最高1,300〜1,400ドル(約19.5〜21万円)になる見込みだ。
Hypernovaの最大の特徴は右目のレンズ右下部分に配置される単眼ディスプレイで、ユーザーが下方を見たときに最も明確に情報が表示される設計となっている。これにより、左目では通常の視界を確保できるため、現実世界との接続を維持できる。
機能面では、写真撮影、メディア視聴、地図ナビゲーション、WhatsAppなどのアプリからの通知確認が可能である。UIはフレームのテンプル部分でのタッチジェスチャーで操作するが、「Ceres」というコードネームで開発中のリストバンドも同梱され、ピンチズームや手首の回転などのハンドジェスチャーによる操作も可能になる。
システムはQualcommのチップを搭載し、高度にカスタマイズされたAndroidベースのOSで動作する。現在市場に出回っている一般的なVR対応スマートグラスの価格が約500ドル(約7.5万円)であることを考えると、Hypernovaは高価格帯に位置づけられる。
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【編集部解説】
Metaの新型スマートグラス「Hypernova」は、同社のウェアラブルデバイス戦略における重要な転換点となりそうです。現行のRay-Ban Metaスマートグラスが予想以上の成功を収めたことで、Metaはより高機能なデバイスへと進化させる次のステップを踏み出しています。
最も注目すべき特徴は、右目のレンズ右下部分に配置される単眼ディスプレイです。この設計は、現在主流の両目にディスプレイを配置するVRスマートグラスとは一線を画しています。Metaがこのアプローチを選んだ理由は、ユーザーが現実世界から完全に切り離されることなく、左目では通常の視界を確保できるようにするためです。
操作方法は2種類あり、フレームのテンプル部分でのタッチジェスチャーと、同梱される「Ceres」コードネームのリストバンドによるハンドジェスチャーです。このリストバンドを使えば、ピンチズームや手首の回転などの直感的な操作が可能になります。
価格設定については、1,000ドル以上、最高で1,300〜1,400ドルとなる可能性があり、現行のVR対応スマートグラスの約500ドルと比較しても高価格帯に位置づけられます。この価格差は主にディスプレイ技術の搭載によるものと考えられます。
このHypernovaの登場は、スマートグラス市場における重要な進化を示しています。現在のスマートグラスは主にカメラ機能やオーディオ機能に特化していますが、ディスプレイ機能の追加により、情報の閲覧や簡単なアプリケーションの利用が可能になります。これはApple Vision Proのような完全な空間コンピューティングデバイスとは異なるアプローチですが、日常的な使用シーンにより適したソリューションとなる可能性があります。
一方で、高価格設定は普及の障壁となる可能性もあります。1,000ドル以上という価格は、一般消費者にとっては高額であり、初期段階ではテクノロジー愛好家やビジネスユーザーが主な顧客となるでしょう。しかし、技術の進化とともに価格は下がっていくことが予想され、将来的にはより手頃な価格で同様の機能を持つデバイスが登場する可能性もあります。
Hypernovaの登場は、ウェアラブルテクノロジーの未来に対する重要な一歩となるでしょう。スマートフォンに続く次世代のパーソナルコンピューティングデバイスとして、スマートグラスがどのように進化していくのか、今後も注目していく必要があります。
【用語解説】
単眼ディスプレイ:片目だけに情報を表示する技術。両目に表示する両眼ディスプレイと比べて、現実世界との融合がしやすい。
モノキュラーアプローチ:単眼(片目)のみにディスプレイを配置する設計手法。完全な没入感よりも現実世界との共存を重視している。
AR(拡張現実):現実世界にデジタル情報を重ねて表示する技術。ポケモンGOのようなゲームで有名になった。
【参考リンク】
Meta公式サイト(外部)Metaの製品やサービス、企業情報を提供する公式ウェブサイト。
Ray-Ban Meta(外部)Ray-BanとMetaのコラボレーションによるスマートグラスの公式サイト。
Qualcomm(外部)Hypernovaに搭載されるチップを開発する半導体メーカーの公式サイト。