Samsung、三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」後継機、初代と同等の画面サイズか|生産数増加の可能性

初代Samsung Galaxy Z TriFoldは、限られた市場で短期間販売された、高価格で技術展示色の強い製品でした。後継機の開発報道から見えてくるのは、約10インチ画面の進化だけではありません。TriFoldが通常の製品ラインへ移るために必要な条件を整理します。


Samsungが、2つのヒンジを備える折りたたみスマートフォン「Galaxy Z TriFold」の後継機を開発していると報じられた。画面は初代と同程度の約10インチになる可能性があり、初代は9.96インチの内側OLEDと6.49インチの外側画面を備えていた。

初代の生産は約3万台に限られたとされるが、後継機では前作より生産量が増えるとの見方が出ている。2027年7月頃にGalaxy Z9シリーズと同時発表される可能性があるものの、仕様や発売時期は未確定である。

From: 文献リンクSamsung has another wild foldable phone lined up for 2027 and it will excite screen connoisseurs

【編集部解説】

今回の報道で重要なのは、後継機にも約10インチのディスプレイが搭載される可能性より、後継機では生産量が前作より増えるとの見方が報じられている点です。元記事によると、初代Galaxy Z TriFoldの生産台数は約3万台に限られ、後継機では市場の反応を踏まえて生産規模が拡大する可能性があります。ただし、生産台数や2027年7月頃という発表時期は、Samsungの公式情報ではありません。

初代Galaxy Z TriFoldは、2025年12月12日に韓国で発売され、その後、中国、台湾、シンガポール、アラブ首長国連邦、米国などへ展開されました。米国価格は512GBモデルで2,899ドルでした。Samsung Japanは2026年2月の展示案内でも「日本未発売」と説明しており、少なくとも初代は、通常のGalaxy Z Foldシリーズのように幅広い地域で販売される製品ではありませんでした。初代は米国と韓国で短期間販売された後、在庫終了をもって販売を終えたと報じられています。

したがって、後継機が登場するだけでは、TriFoldが一般向け製品になったとは判断できません。販売地域、生産台数、価格、通信事業者での取り扱い、修理体制まで拡大するかが、製品カテゴリとして定着したかを測る基準になります。

初代モデルを開くと、6.5インチのスマートフォン3台分に相当する10インチの画面を利用できます。縦長のアプリを3つ並べるほか、Samsung DeXでは最大4つのワークスペースを作成し、それぞれで最大5つのアプリを実行できます。単に動画を大画面で見るだけではなく、資料、ブラウザ、メール、チャットなどを同時に扱う携帯型ワークスペースとして設計されています。

この点では、後継機が初代と同程度の画面サイズを維持するとしても、製品の価値が変わらないとは限りません。端末をさらに大型化するより、厚さや重量を抑え、アプリの表示崩れを減らし、折りたたんだ状態でも通常のスマートフォンとして使いやすくする方が、日常利用では重要です。

初代は折りたたんだ状態で厚さ12.9mmとなり、S Penにも対応していません。Samsung DeXについても、一部のアプリが動作しない場合や、別途有料ライセンスを必要とする場合があります。約10インチという数字だけでなく、持ち運びやすさと対応アプリの範囲を確認する必要があります。

初代の米国価格は2,899ドルと、折りたたみスマートフォンの中でも高額な設定でした。後継機も同程度の価格を維持する場合、生産台数が増えても購入できる人は一部に限られる可能性があります。

また、日本を含む主要市場で通常販売されるのか、登録者や一部店舗に限定されるのかによっても、製品の位置づけは大きく変わります。初代は販売地域と購入方法が限定され、シンガポールでは事前登録者を対象とした先着販売が行われました。

さらに、画面を2回折り曲げる構造では、故障時の修理費用や預かり期間も購入判断に影響します。初代にはディスプレイ修理費を1回だけ50%割り引く特典が用意されましたが、通常ラインアップとして展開するなら、Samsung Care+などを含む継続的なサポート体制も確認したいところです。

後継機が2027年のGalaxy Zシリーズと同時に発表され、販売地域やサポートまで拡大されるなら、TriFoldは技術力を示す限定製品から、用途別に選べる折りたたみスマートフォンの一つへ移行することになります。現時点で確認できるのは開発初期段階に入ったという報道までであり、製品名、仕様、価格、販売地域は未確定です。

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【編集部後記】

限定出荷だった三つ折りスマートフォンが、通常生産を見据える段階に入ったとすれば、折りたたみスマホもかなり身近になってきた感じがします。少し前までは、折りたたみ端末といえば高価で珍しい製品という印象でした。それが少しずつ選択肢の一つになりつつあるのは、面白い変化です。
価格や重さ、修理のしやすさなど、まだ気になる点はあります。
それでも、三つ折りスマホを普通に持ち歩く人が増える未来は、意外と近いのかもしれません。


【用語解説】

トライフォールド(三つ折り)
2つのヒンジを使い、ディスプレイを3つの面に折りたたむ端末構造。一般的な二つ折り型より大きな画面を収納できる一方、重量、厚さ、耐久性、製造コストが課題。

OLED(有機ELディスプレイ)
画素自体が発光するディスプレイ方式。薄型化しやすく、柔軟なパネルを製造できるため、折りたたみスマートフォンに採用される表示技術。

カバーディスプレイ
折りたたんだ状態で使用する外側の画面。通知確認、通話、カメラ、一般的なスマートフォンアプリの操作などに使用。

Samsung DeX
Samsung Galaxy端末をデスクトップパソコンに近い画面構成で利用する機能。対応端末では、複数のウィンドウ、キーボード、マウス、外部モニターなどを使用可能。

アスペクト比
画面の横幅と縦幅の比率。4対3、16対9、21対9などで表され、動画、文書、電子書籍、複数アプリの表示方法に影響する要素。

【参考リンク】

Samsung Japan(外部)
Samsungのスマートフォン、タブレット、ウェアラブル、家電、サポート情報などを掲載する日本向け公式サイト。

Samsung Galaxy スマートフォン(外部)
日本で販売されているGalaxyスマートフォンの製品情報、仕様、購入方法などを確認できる公式ページ。

Samsung Newsroom 日本(外部)
Samsung Electronicsの製品発表、イベント、技術、企業活動に関する公式情報を掲載する日本向けニュースルーム。

Samsung Galaxy Z TriFold製品ページ(外部)
Galaxy Z TriFoldの画面、筐体、カメラ、バッテリー、対応機能などを掲載するSamsungシンガポールの公式製品ページ。

【参考記事】

Samsung Plans Second-Generation Tri-Fold as Part of ‘4+4’ Device Strategy|ETNews(外部)
Samsungが第2世代TriFoldの情報を部品サプライヤーと共有したことや、画面サイズ、生産規模、2027年投入の可能性を報じた原報。

モバイル革新の次世代を具現化、「Samsung Galaxy Z TriFold」登場|Samsung Newsroom 日本(外部)
初代Galaxy Z TriFoldの10インチ画面、2つのヒンジ、Samsung DeX、バッテリー、販売地域、ディスプレイ修理特典などを掲載した公式発表。

The Highly Anticipated Samsung Galaxy Z TriFold is Available in U.S.|Samsung Newsroom US(外部)
米国での発売日、販売方法、512GBモデルの2,899ドルという価格を掲載したSamsungの公式案内。

日本未発売の三つ折りスマートフォン「Samsung Galaxy Z TriFold」展示開始|Samsung Newsroom 日本(外部)
Galaxy HarajukuとGalaxy Studio Osakaでの実機展示を案内。展示は日本での発売を予告するものではないと明記した公式発表。

Samsung Galaxy Z TriFold|Samsung Singapore(外部)
折りたたみ時の本体寸法や厚さ、ストレージ、ディスプレイ、S Penへの対応状況などを確認できる公式仕様ページ。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。