Google Flow MusicにLyria 3.5搭載、フル尺ステム書き出しとBPM指定に対応

生成した曲をパート別に書き出し、97kbpsまで圧縮されたドラムだけのファイルをGeminiに投げても、AI生成であることは読み取れました。一方、同じファイルに入っていた来歴情報は、有効と認められませんでした。透かしをめぐる二つの層が、まるで別の運命をたどっています。


Googleは2026年7月29日、音楽生成モデル Lyria 3.5 を発表し、同日 Google Flow Music への展開を開始した。同モデルは Google DeepMind がリリースしたものである。音楽性では、より複雑な旋律構造を自然な響きで生成する。歌詞では、プロンプト追従性と構造把握が改善された。ボーカルでは、表現と情感、および発音が向上した。

クリエイティブコントロールでは、出力のテンポと長さの制御が容易になった。Google Labs は米国時間7月29日、日本時間換算で7月30日午前1時19分の X 投稿で、BPM の指定と、フル尺楽曲のステム書き出しへの対応を示した。提供先は flowmusic.google である。

From: 文献リンクWe’re launching Lyria 3.5 in Google Flow Music, with advances across musicality, lyrics, vocals, and creative control.

【参考動画】

以下はいずれもGoogle公式による映像である。1本目が今回の発表そのものを扱っている。

Introducing Lyria 3.5 now available in Google Flow Music
Google Labs公式チャンネルによるLyria 3.5の紹介動画。今回の発表内容を実際の音で確認できる。

ワイクリフ・ジョン × Music AI Sandbox
楽曲「Back From Abu Dhabi」の制作でLyriaを用いた記録。買収発表からも参照されている。

Dear Upstairs Neighbors(サウンドトラック)
アニメーション短編の楽曲制作にLyriaを用いた事例。DeepMind公式モデルページに掲載されている。

【編集部解説】

伸びたのは「長さ」ではなく「表現」でした

今回の更新で目を引くのは、機能追加そのものよりも、Googleが力を注いだ場所です。

Lyria 3 が Gemini アプリに登場したのは2026年2月18日で、生成できるのは30秒の楽曲でした。3月25日の Lyria 3 Pro で最長3分に伸び、イントロ、ヴァース、コーラス、ブリッジといった曲構造を指示できるようになります。そして今回の Lyria 3.5 では、最大尺は3分のまま据え置かれました。伸ばしたのは、歌声の表情、歌詞とプロンプトの整合、そしてアレンジのつながりの自然さです。

公開された項目を見るかぎり、争点が「どこまで長く作れるか」から「聴いて違和感がないか」へ移りつつあるように読めます。ここは筆者の見立てです。

ステム書き出しが意味すること

Google Labs が X で言及した機能のうち、制作者にとって最も重い意味を持つのは、フル尺楽曲のステム書き出しでしょう。

ステムとは、完成した曲をボーカル、ドラム、ベースといったパート別、あるいはグループ別に分けて書き出した音源です。これが取り出せるということは、生成された曲が「完成品」ではなく「素材」として扱えるということでもあります。

ステム書き出し自体は、Flow Music の機能一覧に以前から掲載されていました。今回の投稿で明示されたのは、それがフル尺の楽曲に及ぶという点です。30秒の断片ではなく、一曲まるごとをパート別に分解して持ち出せる。書き出したステムをDAWへ読み込み、自分の手で組み替えるという使い方が現実的になります。BPMを指定できる点も、既存プロジェクトへの差し込みを想定した設計とみられます。プロの制作フローに接続しようとする方向が、ここに見えます。

なお、この2つは7月29日の公式ブログ本文には記載がなく、Google Labs のX投稿での言及にとどまります。

このプラットフォームは、もともとGoogleのものではありませんでした

Google Flow Music の出自は、少し変わっています。

始まりは2022年12月に公開された Riffusion でした。Seth Forsgren と Hayk Martiros の2人が趣味のプロジェクトとして手がけたもので、画像生成モデルの Stable Diffusion を音のスペクトログラム生成向けに調整し、音楽生成を画像生成の問題として解くという発想に立っていました。

2023年10月に400万ドルのシード資金を調達し、2025年7月に Producer.ai として再出発。2026年2月24日、GoogleはProducerAI が Google Labs に加わると発表しました。同年4月、名称が Google Flow Music に変わります。

買収時の公式発表によれば、ProducerAI は Gemini、Lyria 3、Veo、Nano Banana の各モデルを利用し、音楽生成には Lyria 3 のプレビュー版を用いる構成に移りました。Riffusion 由来のアーキテクチャがどの範囲まで残っているかは公表されていません。

発表を書いたのは、Google Labs でプロダクト管理を統括するイライアス・ローマンです。文中では、会話を重ねながら曲を練り上げる体験そのものへの評価が語られています。Googleが引き入れたのはモデルというより、音楽家の手つきを理解したチームと設計思想だったのかもしれません。ここも筆者の見立てにとどめます。

この出自は、実は生成物の内側にも残っていました。その話は後段の検証で述べます。

なぜ、このタイミングなのか

今回の発表は7月29日でした。その2日後、7月31日午前9時、ドイツのミュンヘン地方裁判所第42民事部で、あるAI音楽サービスをめぐる判決の言渡しが予定されています。

原告はドイツの著作権管理団体GEMAで、被告は競合の Suno です。GEMAは2025年1月21日に訴訟を提起し、保護された楽曲を無許諾で学習に用いたと主張しています。GEMAはドイツ国内で10万人を超える作詞・作曲家や音楽出版社を代表し、国外では200万を超える権利者と関係を持ちます。当初6月12日だった期日は、裁判所の事務的な理由で7月31日へ移されました。

同じ裁判部は2025年11月11日、ChatGPTが歌詞を再生成した件で、差止めや情報開示、損害賠償といったGEMA側の請求をおおむね認め、一部を棄却する判断を下しています。GEMA自身が、欧州でこの規模の基本問題を扱う最初の事件と位置づけてきたものです。

米国側も動いています。Suno に対する Universal Music Group と Sony Music の訴訟はマサチューセッツ州で継続中で、判決を求める申立ての提出期限は2027年4月9日まで先延ばしされました。Udio に対しては Universal Music Group が2025年10月、Warner Music Group が11月に訴訟を解決し、許諾済み音楽を用いる新サービスの枠組みを発表しています。

一方 Sony Music は訴訟を続け、7月20日、ニューヨーク州南部地区連邦地裁に2件目の著作権侵害訴訟を提起しました。対象は3万117件の音源です。6月29日に既存訴訟へ3万442件を追加する申立てが退けられた直後の動きでした。いずれも現時点では原告側の主張であり、侵害が認定されたわけではありません。

競合が法廷で「学習してよかったのか」を問われている週に、Googleは製品を更新して出荷しました。日付の並びは以上の通りです。因果関係を示す材料はありませんが、置かれた立場の違いは、この並びによってはっきりと見えます。

ただし、Googleが学習データを開示しているわけではありません

この構図から「Googleはライセンス済みデータだけで学習しているから安全だ」と結論づけたくなりますが、そこは慎重に見る必要があります。

Lyria 3 の発表でGoogleが述べているのは、音楽コミュニティとの協働を重ねてきたこと、そして著作権とパートナー契約に十分留意して学習させたということです。Flow Music については、YouTubeおよびGoogleが規約、契約、法令のもとで利用する権利を持つ素材を使用したとも説明しています。しかし、データセットの内訳は公開されていません。Lyria 3.5 の学習データについての問い合わせにも、報道時点で回答は出ていません。

設計面では、既存アーティストの模倣ではなく独自の表現に向けたものだとされ、プロンプトに特定のアーティスト名が入った場合は広い意味での着想として扱う仕組みが説明されています。出力を既存作品と照合するフィルタも用意されています。ただしGoogle自身が、このやり方は万全ではないかもしれないと認めており、権利侵害の申し立てを受け付ける窓口を設けています。

透かしの側も整えられています。生成物にはSynthIDによる不可聴の電子透かしが付与され、AIが作ったか編集したかを後から判別できます。5月には音楽ディストリビューターの Believe および TuneCore と提携し、選定されたアーティストが週次でGoogleのプロダクトチームに意見を伝える枠組みも作りました。Googleは、Flow Music で生成された独自コンテンツの所有権を主張しないとも表明しています。

透明性が届いていない部分と、責任ある設計に踏み込んでいる部分が、同時に存在している状態だといえます。この点は実際に手を動かして確かめたので、続けて報告します。

日本の読者にとって

Flow Music は日本からも利用できます。ヘルプセンターは日本語化され、iOSアプリも提供されています。利用は18歳以上が条件です。

料金は、中核機能を無料で使える枠が用意されており、その上に Starter、Plus、Member の3段階の有料プランが並びます。月払いでそれぞれ8ドル、24ドル、64ドルです。すでに Google AI の Plus、Pro、Ultra を契約している場合は、それぞれ Starter、Plus、Member 相当の特典が適用されます。同時に生成できる本数は無料枠の2本から、Member の16本まで広がります。

言語については、Lyria 3 の時点で日本語が公式のサポート対象に入っていました。英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ヒンディー語、日本語、韓国語、ポルトガル語の8言語です。ただし今回の Lyria 3.5 の発表は発音の改善に触れるだけで、言語別の評価は示していません。

この先を見るための視点

音楽生成AIをめぐる状況は、いま二つの軸で動いています。ひとつは、どこまで人間の音楽家の耳に耐えるものが出せるかという技術の軸。もうひとつは、その学習が法的に認められるのかという制度の軸です。

7月31日のミュンヘンの判断は、後者に一つの線を引くことになります。第一審であり、直接拘束するのは当事者にとどまりますが、そこで示された判断の枠組みは、Suno 以外のモデルをめぐる議論でも参照されていくはずです。

道具として面白くなっているかどうかと、その道具が誰の仕事の上に立っているのかという問い。この2つを切り離さずに追い続けることが、いま必要なのだと思います。

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【編集部後記に変えて、実機検証】

以下の検証は、Google AI の特典が適用された Plus プラン相当の環境で行いました。この日のクレジット付与は10,000でした。無料枠のみの環境では、利用できる機能や生成回数が異なる可能性があります。

日本語で1曲、作ってみました

BPM 90のJ-POPバラードとして、ひらがなで表記した歌詞を渡しました。Aメロ2行とサビ2行だけを指定し、「一文字も変えずに歌ってください」と添えています。ピアノとストリングス主体、女性ボーカル、尺は3分。

BPM 90のミディアムテンポなJ-POPバラード。女性ボーカル、ピアノとストリングス中心。
3分。

歌唱は以下の歌詞のみに限定してください。
歌詞の追加・補完はしないでください。
指定のない区間はインストゥルメンタルにしてください。

(Aメロ)
あさひがのぼる まどのむこう
きのうのゆめが とけていく

(サビ)
まだしらないみらいへ
てをのばしてみようか

出てきたのは2分58.7秒の楽曲でした。48kHzのステレオです。渡した歌詞は崩れておらず、発音も気になりませんでした。

ただ、渡していない歌詞が入っていました。Aメロとサビのあいだ、そしてサビのうしろです。指定した歌詞は守られ、指定しなかった区間が自動で埋められた形でした。一文字も変えないという指示は、たしかに守られています。守られなかったのは、これだけを歌ってほしいという、書かなかった側の指示でした。

BPMは正確でした

尺から逆算すると、興味深いことが分かります。BPM 90の4拍子なら1小節は2.6667秒です。実測の178.656秒をこれで割ると、66.996小節。誤差11ミリ秒で、ちょうど67小節に収まります。MP3の1フレーム(48kHzで24ミリ秒)より小さい誤差です。BPMを89や91と仮定すると、600ミリ秒以上ずれます。

そしてBPM 90で3分ちょうどは67.5小節にあたり、小節の切れ目になりません。モデルは小節の区切りを優先して、67小節で止めています。尺の指定より音楽的な整合を上に置いた形です。

なお、これは尺からの逆算による間接的な推定です。波形からの直接的な拍検出は、ピアノとストリングス主体でアタックが弱いため成功しませんでした。

ステムを書き出して、中を開けてみました

出てきたのはボーカル、ドラム、その他の3本です。ベースは独立せず、その他に含まれる構成でした。いずれもAACの48kHzステレオで、尺は元の楽曲と完全に一致していました。フル尺のステム書き出しは、たしかに機能しています。

興味深いのは、ファイルの中身でした。3本すべてに、13キロバイトほどのC2PA来歴情報が埋め込まれています。しかも複製ではありません。それぞれが別の識別子を持ち、個別に署名されていました。格納方式も、MP3とM4Aで規格どおりに使い分けられています。

ただ、元の楽曲への参照はどこにもありませんでした。3本はいずれも「新規に生成されたAI音源」として自己申告しており、同じ曲から切り出されたという記録を持ちません。C2PAという規格の中心的な価値は素材の系譜を辿れることですが、ここでは系譜が始まる前に途切れています。

意図的な設計とも読めます。制作物どうしの結びつきを外部に残さないほうが、使う側にとって都合が良い場面もあるでしょう。ただ、その判断はどこにも説明されていません。

署名者の名前が、古いままでした

楽曲と3本のステムを、それぞれGeminiアプリに投げてみました。返ってきた答えは、4件とも同じでした。全域でSynthIDが検出され、C2PA情報は含まれているが有効な状態ではない、と。

ドラムのトラックは97kbpsで、打楽器の音だけです。音声透かしにとっては最も条件の悪いファイルですが、そこでも読み取れました。

この一致は示唆的です。元の楽曲はMP3、ステムはM4A。格納場所も、ハッシュの計算方式も、署名も、それぞれ別です。それでも判定が変わらないのなら、書き出しの過程でデータが壊れたという説明は成り立ちにくくなります。

4つのファイルに共通しているのは、署名者だけでした。「Producer.ai C2PA Root CA」という、公開された信頼リストには載っていない認証局です。証明書の発行日は2026年2月7日。Googleが買収を発表した2月24日より前でした。

そして4本すべてが、タイトルとして「Producer.ai Generated Audio」を名乗っていました。Flow Music が改称する前の名前です。改称から3か月以上が経っています。

設定画面に、2つのスイッチがありました

ひとつは「Moderate lyrics」。卑語などを含まない歌詞のみを生成する設定です。もうひとつは「Visible watermarking」。AIが生成したものであることを示す、目に見える識別子を画像や動画に付ける設定です。

いずれも、初期状態ではオフになっていました。筆者は設定を触っていません。ただし、提供地域やアカウントの種別によって異なる可能性は残ります。

動画を作ると、来歴情報が消えました

Flow Music には、生成した曲からミュージックビデオを作る機能があります。4つのテンプレートから選ぶ形式で、そのうち一つには新着を示すバッジが付いていました。

出てきたのは720p、24fps、32.5秒の動画でした。楽曲は2分58秒ですから、その一部だけが映像になった形です。消費クレジットは375。楽曲1曲の生成が10クレジットでしたから、37.5倍にあたります。

この単価で全尺の映像を作ると、約2,060クレジットかかる計算になります。料金ページはPlusプランの10,000クレジットを「約2,000曲」と説明していますが、同じ配分でミュージックビデオなら約5本です。

そして、ファイルの中身が音声とは違っていました。C2PAの来歴情報が、どこにも入っていません。楽曲とステムには13キロバイトほどのマニフェストがあったのに、動画にはその格納場所すら存在しませんでした。可視の識別子も、5つの場面を四隅まで拡大して探しましたが見つかりませんでした。設定が初期状態でオフだったことと、結果は一致しています。

その動画をGeminiアプリに投げると、0:00から0:32の全域で、映像と音声の両方からSynthIDが検出されました。C2PAについては、何も言及されませんでした。ファイルの中身を直接読んだ結果と、一致します。

整理すると

可視の識別子は初期状態でオフ。C2PAの来歴情報は、音声には付くが有効と認められず、動画には付かない。すべての出力で例外なく機能していたのは、SynthIDだけでした。

97kbpsまで圧縮された打楽器のトラックからも、H.264で圧縮された24fpsの映像からも読み取れる。一方、その隣に置かれた署名は、どの形式でも認められない。音そのものに宿った印だけが生き残り、音の外側に貼られた紙は機能していませんでした。

クレジットは何に、いくら消えるのか

明細を開くと、公表されていない単価が見えてきます。3分の楽曲1曲が10クレジット、ミュージックビデオが375クレジット、無料枠として毎日付与されるのが30クレジットでした。無料のままでも、フル尺の曲を1日3本は作れる計算になります。

ただし、料金ページの目安とはズレがあります。公式には3,000クレジットで約600曲、10,000クレジットで約2,000曲と併記されており、いずれも1曲5クレジットという計算です。実測の10クレジットはその2倍にあたります。公式の目安は短い曲を含めた平均値で、フル尺だけを作るなら曲数は半分程度と見るのが現実的でしょう。

検証手順についての注意

SynthIDの照会を試される方へ。回答に示されるファイル名が、実際に送ったファイルと一致しない場面が複数回ありました。いずれも直前のスレッドで扱ったファイル名が現れる形でした。検出された範囲や、映像を含むかどうかといった内容の側は正確でしたが、名前だけがずれます。1件ずつ、新しいスレッドで確かめるのが確実です。


【用語解説】

ステム(stem)
完成した楽曲を、パート別またはグループ別に分けて書き出した音源ファイル群である。単一楽器の完全分離とは限らず、複数トラックをまとめたサブミックスを指す場合もある。ミックスをやり直す際の素材となる。

プロンプト追従性(prompt adherence)
利用者が与えた指示に対し、生成結果がどれだけ忠実であるかを示す性質である。音楽生成の場合、指定した雰囲気やテーマから歌詞や曲調がずれないかを意味する。Googleも Lyria 3.5 の改善点として挙げている。

BPM(Beats Per Minute)
1分間あたりの拍数で、楽曲のテンポを表す単位である。BPMが揃っていれば既存プロジェクトへ配置しやすくなる。異なる場合もDAWのタイムストレッチやワープ機能で同期できるが、追加の調整が必要になり、音質や演奏感に影響することがある。

DAW(Digital Audio Workstation)
録音、編集、ミックスをコンピューター上で行うための音楽制作ソフトウェアの総称である。Logic Pro、Ableton Live、Cubase などが代表例にあたる。現在の音楽制作で広く中心的に使われる環境である。

スペクトログラム
音の周波数成分を時間軸に沿って可視化した画像である。時間、周波数、強度の3つを1枚の画像で表す。音を画像として扱えるため、画像生成モデルを音楽生成へ転用する手法の基礎となった。

同時生成数(concurrent generations)
1人の利用者が同時に走らせられる生成処理の本数である。複数の案を並行して試す制作スタイルでは、この上限が作業速度を直接左右する。

電子透かし(デジタルウォーターマーク)
コンテンツに、人間には知覚できない形で識別情報を埋め込む技術である。生成AIの分野では、出力がAI由来かどうかを事後に判別する手段として用いられる。知覚できないことは、除去が不可能であることを意味しない。

C2PA
コンテンツの来歴と真正性を記録するための国際的な技術仕様である。誰がいつ何を使って作り、どう編集したかを、暗号署名つきのデータとしてファイル内に埋め込む。電子透かしがコンテンツ本体に印を刻むのに対し、C2PAはファイルの付随情報として記録する点が異なる。

ルート認証局(Root CA)
電子署名の信頼の起点となる組織である。署名を検証する側は、その署名がたどり着く先が信頼できる認証局かどうかを確認する。自前で立てた認証局は、公開された信頼リストに載っていないため、署名の内容が正しくても無効と判定されることがある。

著作権管理団体
作詞家、作曲家、音楽出版社などから権利を預かり、利用許諾と使用料の徴収・分配を代行する組織である。ドイツのGEMA、日本のJASRACなどが該当する。訴訟を起こす権限の範囲は、委託契約と各国法に基づく。

ディスカバリ(証拠開示手続)
米国の民事訴訟において、当事者が互いに関係する証拠や情報を開示し合う手続である。提訴の時点では知られていなかった内部データが明らかになることがあり、争点の範囲が後から変わる契機となる。

判決を求める申立て(dispositive motion)
米国の民事訴訟で、トライアルを経ずに事件の全部または一部の決着を求める申立てである。サマリージャッジメントの申立てが代表例にあたる。この期限が動くと、事件全体の見通しも後ろにずれる。

シード資金
創業初期の企業が、製品や事業の検証段階で調達する最初期の資金である。金額の規模は地域、時期、業種によって大きく異なる。次の段階はシリーズAと呼ばれるが、必ずそこへ進むわけではない。

【参考リンク】

Google Flow Music(外部)
Lyria 3.5を搭載する音楽生成プラットフォームの公式サイト。対話形式での楽曲制作やミュージックビデオ生成に対応する。

Google Flow Music 料金プラン(外部)
無料枠とStarter、Plus、Memberの3段階を比較できる公式ページ。クレジット数や同時生成数の差が確認できる。

Lyria|Google DeepMind(外部)
音楽生成モデルLyriaの公式モデルページ。ファミリー構成、アーティストとの協働事例、安全性への取り組みを記載する。

Lyria プロンプトガイド|Google DeepMind(外部)
Lyriaへの指示の書き方をまとめた公式ガイド。テンポやダイナミクスまで踏み込んだ指定の考え方を解説する。

SynthID|Google DeepMind(外部)
Googleの生成物に付与される電子透かし技術の公式ページ。Lyriaの楽曲にも適用され、AI生成の有無を判別できる。

Google Labs(外部)
Googleの実験的AIプロダクトを公開する部門の公式サイト。Flow Musicもここに属し、公開前の技術を試せる場となる。

Google Labs ブログ|The Keyword(外部)
Google Labsの発表を掲載する公式ブログのカテゴリ。Lyria 3.5の発表記事もここに載り、一次情報の起点となる。

Google DeepMind(外部)
Lyriaを開発したGoogleのAI研究部門の公式サイト。各モデルの情報と責任あるAI開発の方針を公開している。

Google Flow ヘルプ|使い方(外部)
Flow Musicの使い方を解説する公式ヘルプの日本語版。Google One特典のチェックボックスに関する注意書きもある。

Google Flow ヘルプ|クレジットとプラン管理(外部)
クレジットとプランの管理方法を説明する公式ヘルプ。Google AI各プランとFlow Musicの対応関係を示す。

Dream Track|YouTube ヘルプ(外部)
Lyriaを用いてShortsのサウンドトラックを生成する機能の公式ヘルプ。対象国や利用条件を確認できる。

Producer.ai(外部)
Flow Musicの前身にあたるサービスのURL。Googleの買収発表およびDeepMind公式ページからも参照されている。

【参考記事】

Google’s Lyria 3.5 music model now lets users edit individual track sections without starting over(外部)
30秒から3分の尺やセクション単位の編集を報じ、Lyria 3.5の学習データにGoogleが回答していない点も記録する。

A new way to express yourself: Gemini can now create music(外部)
2026年2月18日のLyria 3発表。30秒の楽曲生成、18歳以上、日本語を含む8言語対応、SynthID照会機能を記す。

ProducerAI: Your music creation partner, now in Google Labs(外部)
2026年2月24日の買収発表。Lyria 3のプレビュー版を使用し、Gemini、Veo、Nano Bananaも利用すると説明する。

AI music-making platform ProducerAI acquired by Google(外部)
Riffusionが2022年12月に公開され、2023年10月に400万ドルを調達した経緯と、創業者2名の名前を伝える。

Sony Music Files Another Lawsuit Against Udio, Alleges AI Music Generator Copied 30,000 Songs(外部)
Sony MusicがUdioへ別訴を提起。証拠開示で3万117件が確認されたとする主張と、判事の判断を報じる。

Google’s Lyria 3.5 makes AI-generated songs sound more natural and expressive(外部)
Lyria 3が2月に30秒、3月のProで最長3分と拡大した流れと、Google AI各プランとの対応関係を整理する。

Music Industry AI Lawsuits Tracker 2026: Live Status(外部)
GEMA対Sunoの判決期日が7月31日に設定された経緯と、米国訴訟の申立て期限が2027年4月9日へ延びた点を記録する。

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山本 達也
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。