ISS新年特集2025:宇宙から見る16回の初日の出!延長ミッションで見えた新たな宇宙の姿

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国際宇宙ステーション(ISS)は地球を時速約27,400km(17,000mph)で周回しており、24時間で16回の日の出と日没を経験します。地上約400km上空を飛行するISSでは、現在7名の宇宙飛行士が特別な新年を迎えました。

ISSの時計は協定世界時(UTC)を採用しており、2025年の新年は日本時間2024年1月1日午前9時(UTC 0時)に迎えました。

現在のExpedition 72クルー

NASA宇宙飛行士のスニータ・ウィリアムズ(指揮官)、ロバート・”ブッチ”・ウィルモア、ドナルド・ペティット、ニック・ヘイグ、そしてロシアのコスモノートであるアレクサンドル・ゴルブノフ、アレクセイ・オフチーニン、イワン・ワグナーが滞在しています。

from:With 16 sunrises a day, when does it become 2025 on the space station?

【編集部解説】

時間と宇宙の関係性

宇宙空間における「時間」の概念は、私たちが地上で経験するものとは大きく異なります。ISSが地球を周回する速度は秒速約7.8kmにも達し、アインシュタインの特殊相対性理論による時間の遅れが実際に観測されています。

宇宙での時間管理の重要性

ISSでは協定世界時(UTC)を採用していますが、これには重要な理由があります。7名の宇宙飛行士たちは、アメリカとロシアという異なる国籍を持っており、それぞれの母国で17もの時間帯が存在します。共通の時間基準がなければ、実験データの記録や地上との通信に混乱が生じてしまいます。

予期せぬ長期滞在がもたらした特別な経験

ウィリアムズ船長とウィルモア飛行士は、当初わずか8日間の予定でISSに到着しました。しかし、ボーイング社のスターライナーの技術的問題により、SpaceXのクルードラゴンでの帰還を待つことになり、結果として2025年3月まで滞在することになりました。この予期せぬ事態は、宇宙での新年という貴重な経験をもたらすことになりました。

宇宙からの視点がもたらす価値

24時間で16回もの日の出と日没を体験できるISSからの視点は、地球の美しさと脆弱性を同時に実感させてくれます。この特別な視点は、環境問題や国際協力の重要性を再認識させる機会となっています。

技術の進歩と課題

スターライナーの技術的問題は、宇宙開発における安全性の重要性を改めて示しました。一方で、SpaceXのクルードラゴンという代替手段があることは、民間宇宙産業の発展による冗長性の確保を示しています。

将来への展望

この経験は、今後の月面基地や火星探査において、異なる時間概念での生活や作業がどのように管理されるべきかという課題に対する貴重な知見となるでしょう。また、地球外での長期滞在における心理的・社会的な影響についても、重要な研究データを提供することになります。

【用語解説】

  • 協定世界時(UTC)
    世界共通の時刻基準
  • 船外活動(EVA)
    宇宙服を着用して行う宇宙空間での作業
  • クルードラゴン
    SpaceX社の有人宇宙船
  • スターライナー
    ボーイング社の有人宇宙船

【参考リンク】

  1. NASA国際宇宙ステーション公式サイト(外部)
    NASAによる国際宇宙ステーションの最新情報と研究成果を提供する公式ページ
  2. SpaceX Dragon宇宙船(外部)
    クルードラゴンの技術仕様と打ち上げミッションの詳細情報を提供

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