名作SFゲーム『System Shock』がVRになると、体験はどこまで変わるのでしょうか。探索、ハッキング、サイバースペースといった作品固有の仕組みがVR向けに再構築されることで、Citadel Stationとの向き合い方そのものが変わる可能性があります。
Flat2VR Studiosは、Nightdive Studiosと共同で『System Shock VR』を開発し、Meta Quest、PlayStation VR2、SteamVR向けに提供すると発表した。原作の『System Shock』は7年間の開発を経て2023年に発売され、2026年3月までアップデートが続いている。
Flat2VR Studiosは同時に『High on Life』のVR移植や、PlayStation VR2向けタイトル拡充も発表した。『System Shock VR』は各対応ストアでウィッシュリスト登録が可能である。
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System Shock VR Announced For Meta Quest, PlayStation VR2, and PC VR
【編集部解説】
『System Shock VR』で注目したいのは、単に既存の一人称ゲームをヘッドセットで遊べるようにするだけではなく、Citadel Stationで行っていた探索やハッキング、戦闘といった操作をVR向けに再構築しようとしている点です。
Steamの商品ページを見ると、VR版でも原作の中核となる探索構造は維持される予定です。医療施設、研究所、整備用トンネル、幹部区画などCitadel Stationの各エリアを移動し、装備やコード、アクセス権を取得することで、それまで入れなかった場所へ戻る構造が説明されています。監視カメラやコンピューターノードの破壊、回路やアクセスパズル、メールや音声記録の収集といった要素も残ります。
この構造はVRとの相性が比較的分かりやすい部分です。『System Shock』では、Citadel Stationそのものを理解し、各区画の関係や設備を把握することが攻略につながります。Nightdive Studiosによる2023年版も、1994年のオリジナルを基礎に、HD映像、操作体系、インターフェース、音響などを作り直したリメイクでした。VR版では、その空間をディスプレイ越しに見るのではなく、プレイヤーの周囲に存在する環境として体験することになります。
さらに特徴的なのがサイバースペースです。Steamの商品ページでは、Citadel Stationのデジタルシステムへ接続し、6自由度(6DoF)で移動することが明記されています。敵対プログラムとの戦闘、ソフトウェアの回収、セキュリティの突破を行い、その結果を現実側のステーションへ反映させる仕組みです。
もともと通常画面でも三次元的な移動感覚が強いサイバースペースを、頭や身体の向きまで入力になるVRでどう成立させるのかは、本作の体験を大きく左右しそうです。一方で、移動方式や旋回方式、VR酔いを抑えるための設定などは、現時点の公式ページでは十分に説明されていません。長時間の探索や6DoF移動を伴う作品だけに、この部分は発売前に確認したい要素です。
戦闘についても、近接武器、銃器、エネルギー兵器、爆発物を使用し、体力、弾薬、エネルギー、インベントリ、装着ハードウェアを管理する基本構造が示されています。ただし、リロードや近接攻撃がどこまで物理的なVR操作になるのか、武器ごとにどの程度操作方法が変わるのかといった詳細はまだ公開されていません。
PC VR版については、SteamでOpenXR対応が明記され、Meta Quest 2、Quest 3、Quest 3S、Valve Index、Pimax、Picoなどが対応機器として記載されています。一方、Vive Controllersは非対応とされています。日本語はインターフェースと字幕に対応予定ですが、日本語音声は記載されていません。発売日は「未定」で、価格もまだ発表されていません。
現段階で見えているのは、『System Shock』のゲーム内容をそのままVR画面へ移すのではなく、探索、ハッキング、サイバースペースという作品固有の仕組みをVR向けに組み直そうとしていることです。その一方で、VR作品として重要な移動方式、快適性設定、具体的な武器操作などはまだ見えていません。『System Shock VR』を評価するうえでは、グラフィックの違い以上に、原作の複雑なゲームシステムをVRの操作体系へどこまで自然につなげられるかが焦点になりそうです。
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【編集部後記】
『System Shock』はFPSの名作として長く語られてきた作品だけに、VR版でその世界を実際に体験してみたいと感じます。Citadel Stationの探索やサイバースペースがVRでどのような手触りになるのか、原作を知る人にも、これから触れる人にも気になる一本になりそうです。
【用語解説】
6DoF(6 Degrees of Freedom)
前後・左右・上下の移動に加え、上下・左右・傾きの回転を追跡するVRの位置認識方式。『System Shock VR』では、サイバースペース内を6自由度で移動する仕様が案内されている。
OpenXR
異なるVR・AR機器やプラットフォーム間で共通のアプリケーション開発を可能にするオープン規格。Steam版『System Shock VR』ではOpenXR対応が記載されている。
Citadel Station
『System Shock』の主要舞台となる宇宙ステーション。医療施設、研究所、整備区画など複数のデッキで構成され、探索やセキュリティ解除を進めながらSHODANの支配を崩していく。
【参考リンク】
Flat2VR Studios(外部)
既存のフラットスクリーンゲームを公式VR作品として再構築するスタジオ。『System Shock VR』ではNightdive Studiosと共同開発を行う。
System Shock VR|Steam(外部)
PC VR版の公式ストアページ。ゲーム内容、OpenXR対応、対応VR機器、必要動作環境、日本語対応状況などを掲載。
System Shock VR|PlayStation Store(外部)
日本向け公式ストアページ。PlayStation VR2必須で、シーテッド・スタンディング双方のVRプレイスタイル、ヘッドセット振動やSenseコントローラーのトリガーエフェクトへの対応が確認できる。発売日は未定。
Nightdive Studios(外部)
『System Shock』リメイクを手掛けた開発会社。過去作品の復刻・リマスターを多数手掛けている。
【参考記事】
System Shock VR|Flat2VR Studios(外部)
公式発表ページ。『System Shock VR』の概要と対応プラットフォームを紹介。
System Shock VR|Steam(外部)
Citadel Stationの探索、セキュリティシステムの破壊、6DoFサイバースペース、戦闘システム、対応VR機器など、VR版の具体的なゲーム仕様を掲載。
System Shock VR|PlayStation Store(外部)
PS VR2版の対応機能を掲載。シーテッド・スタンディングでのプレイに加え、ヘッドセット振動、Senseコントローラーの振動とトリガーエフェクトへの対応を確認できる。


















